日本ハム田中賢介内野手が、ベテランの洞察力で逆転アーチを放った。3-4の8回2死一塁、中島の代打で打席に立った38歳は、1ボールになったところで直球狙いに決めた。

「いい感じに振り抜けた。年々、飛距離が落ちているので、どこまで飛んでくれるか分からなかった」。打球は右翼席最前列に飛び込む1号逆転2ラン。代打での本塁打は、サヨナラ2ランを放った05年9月28日ロッテ戦(サッポロドーム)以来、14年ぶりだった。

俊足巧打の打者として日本ハム黄金期を支えたが、年齢による衰えや出場機会の減少などもあり、昨年オフ、19年シーズン限りでの引退を決断した。「今年、もしかしたら(お立ち台は)ないかなと思っていたので、こうやって立てて良かったです」。今季初めてのヒーローインタビュー。チームに今季2度目の3連勝をもたらした背番号3の瞳が、涙でうるんだ。