今季ワースト9連敗となった楽天にあって、広島から新加入の下水流昂外野手(31)が気を吐いた。

移籍後初安打、初得点、初タイムリーをマーク。5番中堅で2戦連続先発出場すると、0-2の2回1死から、三塁線へのボテボテの打球で全力疾走し一塁に気迫のヘッドスライディング。ボールがそれるとすぐに立ち上がり、二塁まで進んだ。「僕は愚直に一生懸命やるだけ」。続く島内の中前打で生還し、反撃の初得点も記録した。

3回2死一、二塁では、フルカウントからロドリゲスの外角に沈む149キロのツーシームを捉え、右前に運んだ。一時勝ち越しとなる適時打に、塁上ではガッツポーズと控えめな初「バーン!」も飛び出した。5日の入団会見で持ち味を聞かれ、「勝負強さ」と答えた本領を発揮。「初めての得点圏の打席で、より集中して臨めた」。平石監督も「最初のヒットも決していい当たりではなかったけど、その後の走塁も含めて、沈んでいた野手の気持ちを奮い立たせてくれた」と、空気を一変させるプレーを称賛した。

社会人ホンダの先輩で尊敬する広島長野からは「頑張ってこいよ」と激励された。七夕にファンの願いはかなえられなかったが、厳しいチーム状況の中、救世主としての期待が高まる。「次は勝ってみなさんを喜ばせられるよう頑張りたい」。新天地の土にまみれたユニホーム姿で気持ちを切り替えた。【野上伸悟】