首位ソフトバンクが2位西武に2-1と競り勝ち、連勝でゲーム差を6に広げた。決勝点は4回に三塁走者の明石健志内野手(33)が、打者福田の2球目の暴投で生還し、もぎ取った。今日20日に西武が日本ハムに負けるか引き分ければ、優勝マジック24が点灯する。

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まさにプロの技だった。同点の4回、打者福田の2球目、西武松本航のスライダーがワンバウンドし捕手森がはじくと、三塁走者の明石は一気に滑り込み生還した。「スタートが良かった。一塁側にはじいて、森の顔が上がっているのが見えたので」。森が球を見失っていることを確信すると迷わず本塁へ。後逸ではなく、一塁側へはじいた距離は短かった。「(すぐに)見つけたら(三塁へ)戻れたと思う」。相手の隙を逃さなかった。工藤監督も「難しい判断だったが大きかった。ナイス走塁」とほめた。

1回に西武に1点先制されたが、3回にグラシアルの右犠飛で同点。4回に暴投で決勝点。渋い勝ち方も首位の底力だ。先発松本が腰痛のため3回で降板したが、緊急登板の椎野が4回から3イニングを3人ずつでピシャリ。7回からは甲斐野、モイネロ、森と勝ちパターンで山賊打線を寄せ付けなかった。

前日、プロ初打席の初球を本塁打にしたコラスをナインはメジャーで流行の「サイレントトリートメント」で祝福。本塁生還後しばらく無視してから、一斉に歓喜の輪をつくった。工藤監督は「ハイタッチしようとしたら福田から下がってくださいと制止されたよ」と明かした。選手から首脳陣に参加要請ができるほど、チームの雰囲気はいい。

大阪での「鷹の祭典」だった。前身南海の本拠地大阪で、今季の祭典を5勝4敗と勝ち越した。20日の西武の試合結果で優勝マジックも点灯する。リーグV奪回へこのまま走り抜ける。【石橋隆雄】