エースで敗れ、崖っぷちに追い込まれた。ソフトバンクは初戦を千賀で落とし、3位楽天に王手をかけられた。左中間ホームランテラスへ打球が消えると、千賀は肩を落とし両手を膝にあてた。7回2死、茂木に勝ち越しソロを浴びた。浅村に2発、オコエにも1発を浴び、4被弾は今季初の屈辱。「失点すべてが本塁打。自分の責任。(味方が)3点を取ってくれて、それをすんなり吐きだしたことがすべて」と悔やんだ。

ソロ4発で7回4失点。工藤監督は「今日はボールが高かった。1年間あいつが頑張ってここまで来られた。あいつを信じていかせた」と受け止めた。24日の楽天戦で敗れてV逸して以来、中10日でのマウンド。千賀は「ちょっと難しかった。全体的によくなかった。(持ち球)全部使えなかった」と言葉を振り絞った。

3試合制のプレーオフ、CSで初戦に負けた27チームのうち、逆転突破したのは4チームで確率は14・8%しかない。工藤監督は「データはデータ。ここから。終わったわけではない」と語気を強めた。第2戦の相手は美馬。今季7度対戦し、1勝3敗と苦手にしている。ファーストステージ敗退なら、楽天に敗れた09年以来になる。簡単には終われない。【石橋隆雄】