中日のドラフト4位、慶大・郡司裕也捕手(21)が23日、横浜市の同大野球部で指名あいさつを受けた。

正捕手争いに加わることを期待されており「僕の売りは頭を使ったリードや試合全体を見た指示、投手とのコミュニケーション。あまり目には見えないですけど、チームを勝たせて評価してもらえれば」。中日には高校の先輩梅津や甲子園決勝で戦った小笠原らもおり、合流を心待ちにした。

頭の良さがインサイドワークに表れる。仙台育英では3年間全教科オール5。慶大環境情報学部では、高橋由伸前巨人監督の学生時代の1学年先輩で、カブス傘下マイナーでプレーした経験もある加藤貴昭准教授から指導を受けている。

卒論のテーマは「バーチャル野球とリアル野球の比較」で「野球ゲーム『パワプロ』がうまい人は実際の野球はどうなのかとか、そういう研究しています」と説明する。強いゲーマーは実際の野球でも球種の正答率が高く、眼球運動を計測すると、バーチャルでもリアルでもうまい人は投手の腕やボールなどに集中し、視線のぶれが少ないという。「まだ研究中ですが、野球をやる人はパワプロもやった方がいいんじゃないかという結論になるかもしれません」と笑顔を見せた。

パワプロ研究はプロでも役立つかもしれない。郡司は「中日では平田さんが一番強いと聞きました。でも研究者としてパワプロでの優勝は僕がいただきたい(笑い)」。勝ち負けはともかく、グラウンド内外で溶け込むいいきっかけにもなりそうだ。【千葉修宏】