「磯野~、野球やろうぜ~」。人気漫画サザエさんに登場する「中島くん」の名セリフのごとく、仙台育英(宮城)出身の城西国際大(関東5連盟第1代表・千葉県)エース右腕・中島隼也(3年)が、楽しみながら182球を投げ抜き、広島経大(中国・四国3連盟)を5-3で下した。

「調子はそんなに良くなかったが、粘り強く、今まで一番長く(球数を)投げることができた。低めのボール球で空振りが取れたことは自信になった」。初出場で4強に導いた。

7奪三振7安打5四球3失点の内容には「愉快だな~」という感情には、ほど遠かった。終盤に140キロ超えを連発したが「配球、制球、すべてにおいて勉強になった。修正することを学んだ」と“宿題”も多い。今春の全日本選手権以降は、体重を5キロ以上増加、球速は最速146キロまで伸ばした。次は、球速差が少ないチェンジアップを生かした投球をするつもりだ。

中島にとって「カツオくん」のような存在は、千葉市シニア時代から同じチームでプレーし、高校も背中を追った慶大・郡司裕也捕手(4年=仙台育英)だ。中日ドラフト4位指名の“親友”には、大学進学後も食事に誘ってもらい、食事法なども伝授された。19日の準決勝では初対戦の可能性が高い。「楽しみだし、抑えたい。今日の試合後も『ナイスピッチ、高速チェンジアッパー』って声をかけてもらいました」と士気も高まった。

好きな登場人物を問われると「もちろん、中島くんですよ」。今日は楽しい、今日は楽しい、ピッチング~♪。中島が神宮で主役を奪う。【鎌田直秀】