163キロを出す骨格メカニズムは、怪物投手たちと同じだった! 19日、ロッテの新人合同自主トレで「4スタンス理論」の提唱者・広戸聡一氏(58)の講義が行われた。体の使い方を4分類する理論で、ドラフト1位の佐々木朗希投手(18=大船渡)は「B2」に分類された。

ヤンキース田中将大投手(31)やエンゼルス大谷翔平投手(25)もB2。体力測定で明らかになった筋力に続き“令和の怪物“の謎が解き明かされていく。

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令和の怪物は、B2タイプと診断された。かかとの外側にバランスの重心を置き、体の動きを連動させるタイプだ。広戸氏はB2の代表例として「大谷選手がそうですね。田中選手も」と、くしくも佐々木朗があこがれる2人のメジャーリーガーの名を挙げた。

「どの順番で骨格が動くかの設定が、人それぞれ脳によって決まっている。それに従って体を動かすのがすごく重要なこと」と主張する。163キロをマークした骨格のメカニズムは、大谷や田中と同じ-。ロマンを感じる結果だが、佐々木朗は「少し、知っていたので」と明かした。

小学校高学年の時に高校野球漫画「グランドスラム」で4スタンス理論を学び、B2と自覚した。同じB2の田中の大ファンになったのも「小学生の時なので、それもあったのかなと思います」と振り返る。

球界を代表する速球派3人がそろってB2なのは、偶然なのか。広戸氏はB2の特徴として「肩甲骨周りの可動域が広い。体幹や胴体の使い方がすごくうまいので、腕を振り下ろしていくスペースを作れる」と挙げ「無理のない腕の振り方になっているのではないか」と推測した。

投球時、打者に向けたグラブに対し<1>グラブと体を入れ替えて腕を振る<2>グラブに近づき上半身のたたみで腕を振る、の2タイプがいるという。佐々木朗は<2>で「大谷君に近いと思います」と広戸氏は分析した。グラブを強く抱え込み、生まれたスペースに腕を振り抜く-。この動きこそ、B2投手の特徴だという。

肩の可動域が広くなっても筋力が落ちない“怪物の源”が、18日に明らかになったばかり。佐々木朗は「自分に合った理論を見つけて実践していければ」と話す。次々と可視化する成長へのヒントが、未来のスケールをどんどん大きくしていく。【金子真仁】

◆4スタンス理論とは 人にはそれぞれ骨格や運動のメカニズムがあり、それぞれに合った体の使い方がある、という理論。バランスの重心となる足裏のポイントによってA1、A2、B1、B2の4つに分類する。ゴルフスイング分析に用いられ話題になった。