「打てる捕手」として首脳陣の期待を集める日本ハム宇佐見真吾捕手(26)が、フレーミング向上のため猛勉強中だ。

26日、先乗り自主トレ中の沖縄・名護は悪天候で、室内練習場での打撃練習などを行った。フレーミングとは、際どいゾーンの投球をストライク判定に見せる捕球技術のこと。米国では近年、数値化されて注目を集めている。今オフは、無料動画サイト「ユーチューブ」で、メジャーで活躍する捕手の動画を視聴している。

きっかけは昨年の秋季キャンプ。球団が提携するレンジャーズの関係者が視察に訪れ、「捕手は(捕球の)音より、いかにストライクを取ってもらえるかが大事」と助言を受けた。これまでは「投手側からしたら、音が大きい方が気持ちよく投げられる」と感じていた宇佐見も、意識は大きく変わった。「(メジャーの捕手も)際どいコースの捕球は音が鳴っていないものもある」と、技術をイチから見直している。

昨季途中に巨人から移籍。ベテラン鶴岡のほか、清水、石川亮の激しい正捕手争いに割って入り、自己最多、チーム捕手3位の45試合に出場した。長打が魅力の打撃では2割を切り実力を発揮できなかったが、強肩、フットワークなど、総合力での評価は高い。

同サイトでは「もちろん、息抜きにはモモクロの動画を見ています」という筋金入りの「モモノフ」だが、今はもっぱら野球に活用。「日々勉強」で、高度な技術を体得する。【中島宙恵】

◆フレーミング 際どいゾーンの球を球審にストライクと判定させるスキルのこと。捕球時にミットをわずかにずらしたり、反対にしっかりと止めたり、体を寄せたりすることで、ストライクとコールさせることができる。トラッキングデータ(球や選手の動きなどを数値化したもの)の導入が進んでいるメジャーでは、この技術の優劣で、シーズントータル30~40失点の差が出ると言われている。