ソフトバンクのキーマンへのインタビュー企画「S15(サァイコー!)な男たち」の今回は上林誠知外野手(24)です。レギュラーをつかみかけていたものの、昨季は死球による右手甲の骨折などで打率1割9分4厘と低迷。再び安打製造機として「ゼロからのスタート」を切り、3年ぶりリーグ優勝と4年連続日本一に貢献するつもりです。【取材・構成=山本大地、石橋隆雄】

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-金星根コーチングアドバイザーから助言をもらっている

上林 早めに準備して、1回しっかり軸足に体重が乗ってから打つようにと。すごく分かりやすいですね。

-昨年は右手甲に死球を受けて痛みと闘いながらの打撃だった

上林 もともと右手首を締めて打っていたが、痛くて(右手首を)かばって打つようになっていた。そこを今は素直に、自然な打ち方にしている(手首を柔らかく自然に使った打撃ができているという意味)。今は痛みが減った分、強い打球も出ている。

-今キャンプ、今季へ向けて

上林 モデルチェンジですね。ほかの選手にないもので勝負しないといけない。

-足とか?

上林 そうです。足、肩があるのでそこを生かしていきたい。長打を求めたり、体を大きくしたりとしてきたが、1周して(本来の)ヒットメーカータイプでいこうと。

-だから、フリー打撃でも左右に低いライナーを打っている

上林 ボールの少し低めか真ん中を、コースなりに低いライナーで打つようにしています。昨年はギータさん、今年はバレンティンがフリー打撃で同じ組。隣で大きい打球を打って大歓声が上がって、自分もと期待されているのは分かっているんですが、その中でも惑わされず、ライナーでしっかりと打てています。一緒の組で打つのは大変ですけど。

-なぜ安打製造器タイプへの回帰となった

上林 自分を見つめ直したときに、チームに同じタイプばかりはいらない。このチームの打順、守備位置などを考えた時に、どうやって自分の力を出せばいいのかと。

-それは1番打者ということか

上林 1番というか出塁する打者が機能しないといけないとは思う。

-第2クールからの実戦形式で感触は

上林 7日はやっていることが出た(二保から一、二塁間を破る安打)。低い打球のヒット、ああいうのが理想。いろいろ試しながらやっています。

-ここ数年とは実戦の意味合いも違う

上林 結果しかない。内容も大事ですし、結果も求められる立場。早くいろいろ試して、実戦に入っていきたい。

-キャンプに臨む思いも違う

上林 去年みたいにけがしたらああいう風になる。そこはみんな一緒ですけど。また一から、いやゼロからのスタートですね。

-やれる自信は

上林 そういうのもなければダメだと思う。オフにしっかり準備をしてきた。結果が出る、出ないはしょうがない。そういう競技なので。やってきたことが良ければ結果は出ると思う。なるようになる。今は一生懸命やるだけです。