<練習試合:DeNA4-4日本ハム>◇5日◇横浜

#開幕を待つファンへ-。開幕2週間前の5日、各球団の開幕投手がマウンドに上がった。DeNA今永昇太投手(26)はスライダーに手応えを示した。エースたちは大舞台のための1球1球を、余念なく磨いている。

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直球とカットボールを軸とするDeNA今永が「スライダー」に光明を見いだした。試合後、この日投じた45球から「納得したボール」を問われると、間髪入れずに口を開いた。

今永 初回、四球にはなったんですが、近藤選手へのラストのスライダーと、中田選手の2打席目の外のスライダー。今日は右、左打者の両サイドの真っすぐとスライダーをイメージして入ったので。

まずは1回1死三塁。3番の左好打者に対し、フルカウントからの6球目、外角低めに130キロスライダーを収めた。惜しくもボールと判定されたが、納得の1球となった。そして3回2死、4番の右強打者への同じくフルカウントからの6球目。同じく外角低めに134キロスライダーを決め、空振り三振に仕留めてみせた。

真っすぐは最速149キロをマークしたが「球速の割に球の質はあまりよくなかった。たぶん相手もそんなに嫌なストレートと感じなかったと思う」。基本となる直球が走らない厳しい状況で、得意の鋭く小さく曲がるカットボールではなく、やや大きく曲げる「スライダー」を勝負球に選択。右左の外角低めにきっちり制球できたことに価値を見いだした。

今永 カットボールだけに頼らない。または真っすぐが投げにくい場面でも、今日の配球が、少し幅が広がる投球にはなるんじゃないかなと。それが1つ収穫かなと思います。

意識高きエース左腕。主役が不調の舞台でも脇役スライダーを生かし“芸の幅”をさらに広げる。【鈴木正章】

DeNAラミレス監督(今永の投球に)「彼については自分のコントロールが分かっているし、まったく心配していない。悪いながらに修正してやれる、非常に賢くてスマートな選手。今のまま普通にやってくれればいい」