アゲアゲの大砲が中軸候補に名乗りを上げた。今年初めて5番で起用された広島アレハンドロ・メヒア内野手が1試合2発を放った。練習試合再開後打線が振るわない中で5戦4発。1人好調を維持している。

逆転した直後の3回。田嶋の低めの真っすぐを捉えた打球は弾丸ライナーで最深部右中間席を直撃した。「1打席目は(1死満塁で)三振したので気持ちを切り替えて、リセットして打席に入りました。逆方向に打てたのは自信になる」。中軸としての自覚十分だ。4-4の7回は、好機で沢田の直球を思い切り引っ張った。左翼5階席の最上段まで運ぶ推定飛距離145メートルの勝ち越し3ランでチームの対外試合連敗を13で止めた。

春季キャンプ中に外国人選手でただ1人2軍降格を味わった。「悔しかった。いつも前を向いて積極的にきた。まだ100%ではない。これから」。外国人枠争いの最後尾から今や中軸候補。日本人の若手と同じ練習量をこなし、主砲の鈴木誠に教えを請うなど地道な努力ではい上がった。佐々岡監督は「本当にツボにはまればすごい。(4番の)誠也の後に1発の怖さがあるのは魅力」と期待する。5試合で記録した安打のすべてが本塁打というパンチ力が新広島打線の飛び道具となりそうだ。【前原淳】