ソフトバンク和田毅投手(39)がチームトップタイの4勝目で、チームに3連勝をもたらした。先発で6回までわずか1安打。自慢のスライダーに確かな手応えを感じ、ベテランの味を十分に発揮した。5三振を奪い、現役投手5位のNPB通算1598奪三振。積み重ねてきた経験で、今後も投手陣も引っ張っていく。

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ソフトバンク和田が「完全復活」を胸に誓って臨んだ今季はコロナ禍の影響で開幕が約3カ月遅れた。経験のない調整期間に不安もあったが、ベテラン左腕は前を向いてトレーニングに励んできた。

個人練習の間に和田は自宅の花壇にひまわりの苗を植えた。暗く沈みがちな生活に少しばかりの潤いを、との思いもあったのだろう。園芸などシーズン中は初体験。開幕前に初めて植えたひまわりは枯れてしまったが、丹念に育てる楽しさを知った。「次はちゃんと種から植えました」。再び花作りに没頭した。太陽に向かってすくすくと育つひまわりの姿は、復活を誓う自らの気持ちを奮い立たせてもいる。左肩痛に悩まされ、17年4勝、18年0勝、シーズン途中にマウンドに帰ってきた昨年が4勝…。そして、今季4勝目にたどり着いた。1歩ずつしか困難は乗り越えられない…。2年近いリハビリ生活で嫌というほど味わってきた教訓だ。秋には今度は自らが大輪の花を咲かせるつもりでいる。【佐竹英治】