勝ち頭が勝てない-。先発した広島クリス・ジョンソン投手(35)が6回途中5安打4失点(自責点3)で今季4敗目を喫した。今季先発7試合目で未勝利。5年間で57勝を積み上げた左腕が、泥沼から抜け出せない日々が続く。チームは9連戦を5勝4敗で勝ち越したが、最後は連敗で後味の悪い締めくくりとなった。

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K・ジョンソンが負の連鎖から抜け出せない。これまでシーズン序盤に手にしていた1勝目が遠い。6回途中5安打4失点。来日5年間で57勝を挙げた左腕が、今季7度目の先発でも勝ち星は巡ってこなかった。

立ち上がりは本来の安定感をみせていた。最速149キロの切れ味鋭い直球を軸に、ストライク先行の投球で、テンポよく投げ込んだ。3回まで1安打無失点と力投。しかし4回に隙を与えてしまった。先頭の福田を四球で出塁させると、続くビシエドの右前打で無死一、三塁。高橋の内野ゴロの間にあっさり先制を許し、暴投を挟み2死二塁から井領に中前にしぶとく運ばれ、追加点を許した。

悔やまれるのは6回だ。先頭打者を出塁させ、四球も絡み1死満塁のピンチを招いた。前の打席でタイムリーを許した井領への4球目が内角高めに外れ、押し出しで追加点を献上。ここまで我慢してきたいら立ちを隠しきれず、無念の途中降板となった。佐々岡監督は「立ち上がりは良かったけど、そこから続かない。もう1つ、2つ粘りきれなかった」と指摘した。

かつて沢村賞を手にした姿はない。沢崎投手コーチは「前回よりも強い球、低めの制球も含め良い感じに見えたけど、なんとか粘ってほしかった」と悔やんだ。例年と比べ制球に苦しむ左腕に「悪い中でもなんとか技術なりで抑えることを期待できる投手。4つ負け、勝ちなしは想定外。やってもらうしかない。流れを含めて、何かきっかけがほしい」と巻き返しに期待した。

チームは9連戦を5勝4敗と勝ち越しを決めたものの、最後は悔しい連敗で終わった。13日の移動日を挟み、14日からは3位阪神との3連戦(京セラドーム大阪)を迎える。指揮官は「昨日と今日良いゲームを見せられなかった。明日休んで、気持ちを切り替えてやりたい」。上位進出へ、勝利を積み重ねていくしかない。【古財稜明】