勝利を見届けると、オリックス中嶋聡監督代行(51)は右拳をグイッと突き出した。初陣での初勝利。ベンチ前で守護神ディクソンから記念球を受け取った。

「絶対に連敗を(4で)止めてやると思っていた。借金の数(16)を見たら簡単に上(位進出)の話はできないですけど、目指さないと何も始まらない。もう、やるしかないんで」

前日に西村監督が辞任。監督代行を務めることになった。この日は朝一番に大阪・舞洲の球団施設へ。2軍で打撃好調だった杉本に「一緒に(1軍に)行くぞ」と声を掛けた。

1番大城、8番杉本は昇格即スタメン起用。4番には勝負強さに期待して、2軍でリーグトップ23打点の中川を据えた。今季の1軍での打率は1割台だが「僕は無敵な中川を見てきた。今の打率は全く関係ない。新しい中川を出してくれたら」と信頼する。

勝利と育成の両方を目指す。試合前に「そこに挑戦していくのが、我々の仕事」と所信表明。初陣から有言実行してみせた。

記念球の行方を聞かれると「え、子どもみたいやん、それ。お父さんに…、そんなわけないやろ!」と報道陣を笑わせた。「対話重視」の新指揮官の下、オリックスは生まれ変わる。【真柴健】

<中嶋監督代行一問一答>

-監督代行の話はどういうタイミングで

昨日(20日)の2軍の試合後に電話で。(福良GMから)「覚悟しとけよ」と。

-福良GMからはどういう言葉が

立て直すという意味を込めて、新しくやりたい。力を貸してくれと。

-今季チームは得点力に苦労している

すごく苦労している部分だと思う。AJ(ジョーンズ)であったり、ロドリゲスであったり、今は調子を落としてますけども最初の頃の状態で機能したら得点力は上がると思う。本来、勝負強いバッターなので、そのあたりを出してくれたら。

-中嶋監督代行に期待するファンへ

あまり僕に期待しない方がいいと思います。期待するのは選手にしてほしいなと思います。僕は、たいしたことないんで(笑い)。