2番起用のバイプレーヤーが小技、大技で逆転勝利に貢献した。日本ハム松本剛外野手(27)が18日、ロッテ16回戦(札幌ドーム)で2安打3打点と大暴れした。3回にランエンドヒットを決める適時打を放ち、4回には18年10月2日西武戦以来、2年ぶりの1発を左翼席に放り込んだ。チームは連敗を2で止め、西武が敗れたためチームは4位に再浮上した。

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1球で仕留めた。2点リードの4回2死一塁。松本は迷わず振りにいった。「感触としてはよかったですし、なんとか行ってくれ、という思いでした」。交代したばかりのロッテ2番手東妻の初球144キロ直球を振り抜き、左翼スタンドに運んだ。18年10月2日西武戦以来の1発に「やっぱり本塁打は気持ちいいなと思いました」。試合後のヒーローインタビューでは本拠地ファンの前で笑顔をみせた。

反撃も松本のバットからだった。3点を追う3回1死一、三塁。カウント2-2から、一塁走者杉谷をしっかりと視界にとらえた。「走ったというのはわかったので、ゴロさえ打てば点は入るかなという気持ちはあった。いいところを抜けてくれて良かった」。中村稔から三遊間をしぶとく破る左前適時打。会心の当たりではなかったが、一挙5得点の逆転劇へ火付け役となった。

昨季は右肘の手術などで出場4試合にとどまったが、松本の高い能力を栗山監督は認めている。今季20試合で2番に起用。その中で、つなぎ役に徹する打撃意識を感じ取った指揮官は「2番打者になりきるな、スラッガーであることを忘れないでよ」と助言。松本は「監督にも練習中からけっこうそういう話をしてもらえる。今日は思い切りいってもいいシチュエーションがきたので思い切りいけた」とうなずいた。

栗山監督は「チームにとって、とっても大きかった。ああいう形が剛の良さなのでね」と評した。17年に115試合出場した実績もあるが、今季は先発だけでなく代打、代走、守備固めなど多様な形で53試合に出場し、チームを支えている。松本は「連戦続いて疲れも出てきている中で、1試合1試合勝つためにということをみんな全力でやっています。出た時はしっかりといい仕事ができるように準備していきたい」。シーズン残り42試合、力の限り戦い抜いていく。【山崎純一】

▽日本ハム近藤(3回に同点を呼ぶ右前適時打) みんながつないでくれたチャンスだったので、なんとしても点を取りたいと思っていた。しっかりはじき返すことができた。