「1番周東」がチームを3連勝にけん引した。1番二塁で先発したソフトバンク周東佑京内野手(24)がプロ初の猛打賞。初回先頭で二塁打を放ち、中村晃の適時打で先制のホームを踏んだ。走ってもリーグ単独トップとなる20個目の盗塁に成功。1番で起用された試合は勝率7割7分8厘となった快足男がリーグVへのキーマンになる。

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目の覚めるようなプレーから鷹の先制劇が始まった。「1番周東」は初回無死で、楽手石橋の2球目を左翼手やや右へ打ち返した。相手が打球を追う間に迷うことなく一塁を蹴り、電光石火の二塁打。1死から中村晃の右二塁打で生還し、あっという間に先制のホームを踏んで見せた。

3回に左前打、5回にも中前打を放ち初の猛打賞。これまで2安打が最高だったが、8回1死でも4本目の右前打を打った。「びっくりです。札幌で(日本ハムの)西川さんと話をさせてもらって、『どうやって塁に出るかを考えろ』と。なんでもいいから、四球でもエラーでも、どうやったら塁に出られるかを考えていました」。同じスピードを武器にする先輩からの助言を胸に、快音を連発した。

走っても5、8回に盗塁を決め今季20個目。18個で並んでいた日本ハム西川、ロッテ和田に差をつけリーグ単独トップに立った。「試合に出させてもらっている以上は狙っていきたい。走れば点に結びつくし、よりチームに貢献できる」と盗塁王を本気で狙っている。

9月に入ってここまで、周東以外に中村晃、川島、牧原、上林が1番に入っている。打線でも重要なポジションだが定位置をつかむ選手が出てこない。その中で周東は今季19試合目の1番起用。この日の勝利で、1番での勝率は14勝4敗1分けの7割7分8厘と、チーム勝率を大きく上回る高い数字を残している。工藤監督も「彼が塁に出るだけで配球も変わるしチャンスが増える。どのチームもやりたい攻撃だと思う」とたたえた。

チームは3連勝で楽天の自力優勝を消滅させた。敗れた2位ロッテとのゲーム差も2・5に広がった。悲願のリーグV奪回へ勝負の終盤戦。「1番周東」が重要なカギを握ることになりそうだ。【山本大地】

▽ソフトバンク甲斐(6回、中堅越えの適時二塁打に) 打ったのはストレート。思い切って積極的に打ちにいきました。久しぶりのヒットがタイムリーになってよかった。

▽ソフトバンク川瀬(6回の中前タイムリーに) 打ったのはフォークと思う。何とか食らいついて打ちました。

▽ソフトバンク栗原(6回、左中間を破るタイムリー二塁打) 打ったのはカットボール。集中して必死に打ちにいきました。

▽ソフトバンク海野(9回の守備でプロ初出場) 守備につくときに足が震えていました。いいところを出せるようにアピールしてやっていきたいです。