ソフトバンクは、なぜがロッテに弱い。首位を守っているが、カード別で唯一ロッテに負け越し、3勝8敗1分けで借金5を抱える。25日からは昨年2勝10敗だったZOZOマリンで3連戦。「鬼門」決戦を前に、日刊スポーツ評論家の浜名千広氏(50)はこれまでの「方針」を捨てる勇気も必要だと説く。【取材・構成=浦田由紀夫】

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昨年、ソフトバンクはリーグ優勝を逃した。要因の1つに、8勝17敗、借金9だったロッテとの対戦成績が挙げられる。特に敵地では2勝10敗。「呪縛」とさえ言われた。今年は逆にペイペイドームで5連敗中。ここまで3勝8敗1分けと唯一負け越しているカードだ。

浜名氏 確かに苦手にしている。私が現役のときも苦手球団もあった。自分たちも何とかしようとしているが、なぜだか分からず負けてしまう。その相手ユニホームを見るだけで意識してしまう。またZOZOマリンはベンチからホームベースが遠く、打席に立ってもチーム全体で戦っている雰囲気を感じづらい面は確かにある。

今季のロッテ戦のチーム打率2割2分8厘はカード別で最も悪い。対戦防御率が最も悪いのが西武戦であることを考えると、データ的には打てなくて負けていることになる。

浜名氏 勝てない結果については数字には表れない部分だと思う。苦手を意識しないように普通にやろうとすればするほど、意識してしまう。細かいことを言うと切りがない。選手からすれば意識を変える必要もある。思い切って「苦手」であることを受け入れて、苦手だから普通じゃ勝てないと意識することも大事かもしれない。

ソフトバンクは選手個々のレベルが高く、何年も優勝争いをしてきた。試合対策について、打者は個々にある程度任せてきた経緯があるが、浜名氏はその「方針」を変えることも必要だという。

浜名氏 試合の狙い球などは、ある程度選手個人に任せてきて結果が出てきたが、そろそろロッテについては変更も必要だと思う。相手先発投手に対して、チームでしっかりこれという狙い球を決めて、チーム全員で徹底する。右打ち、変化球、早打ちなど、攻略のために全員で同じ意識を徹底することをやってもいいと思う。(日刊スポーツ評論家)