阪神岩崎優投手が「勝ち運」を呼び込み、連日の救援白星だ。前日と同じく同点の8回に登板。先頭の代打蝦名を145キロの内角速球で空振り三振に仕留めると、柴田も遊飛に封じ、倉本はカットボールで空を切らせた。リズム良く3者凡退でベンチに戻ると、ナインと予言をささやき合っていた。

岩崎 今年1回、サダがやっている。投げ終わって(2日連続の救援勝利が)『あるんじゃない?』って。ホントにありました。ビックリしています。

0封直後に糸井が決勝の2点打。前日も0封直後にボーアの勝ち越し打が出た。それは8月29、30日広島戦(マツダスタジアム)で、2戦連続の救援勝利が舞い込んだ岩貞とそっくりのパターン。勝負どころで出ても安定感を誇る“岩岩コンビ”だからこそ、予言が現実になった。

だが、今季4勝目は偶然ではない。前日は先頭ソトに四球を与えたが無失点。試合後「明日以降は先頭を切って0点で抑えられるように」と反省した。有言実行の完璧投球。リリーフの鉄則である「先頭封じ」を決め、役割を果たした。

3日のヤクルト戦でプロ初セーブを挙げるなど、連続試合無失点を9に伸ばした。防御率も今季初めて1点台(1・95)まで下げ、守護神スアレスにつなぐ「8回の男」として仁王立ちだ。矢野監督も「球自体、後半にきて良くなっている。何の迷いもなく、送り出せる」と信頼は厚い。

お立ち台でもマウンドのような鉄仮面。それでいて、お茶目な顔も合わせ持つ。外国人選手のように片言の日本語で抑揚までつけ、「タイガースファン、イツモアリガトウ」と笑わせた。勝利を呼ぶ男も奇跡を信じて腕を振る。【酒井俊作】