巨人菅野はなぜ負けない?小谷氏挙げた4つの要素

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  • 巨人対広島 8回表広島2死一塁、マウンドで声をかけ合う菅野(中央)と大城(撮影・山崎安昭)
  • 巨人対広島 9回裏巨人2死三塁、吉川尚のサヨナラ打にジャンプしてベンチを飛び出す菅野(右)ら巨人ナイン(撮影・鈴木みどり)

<巨人5-4広島>◇22日◇東京ドーム

なぜ負けないのか。巨人菅野智之投手(30)の投球の随所に、確かな理由があった。巨人など4球団で投手コーチを務め、練習から菅野を見つめてきた小谷正勝氏(75)は、連勝できる投手の条件に<1>加工球<2>球威<3>コントロール<4>駆け引きを提示。3つを備えれば超一流だが、広島戦の中盤以降には4要素すべてが備わっていた。8回3失点で勝ち投手の権利を得たが、デラロサが救援失敗。開幕戦からの12連勝は持ち越しとなった。試合は9回、吉川尚がサヨナラ打。両リーグ最速で50勝に到達し、優勝マジックを30とした。

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菅野が勝ち続けられる理由が、要所の6回以降に詰め込まれていた。昨年まで巨人の投手コーチとして菅野と接し、多くの名投手を育てた小谷氏が「連勝できる投手」として挙げる4つの要素。「3つの要素があれば勝てる」としたが、すべてを満たしていた。

<1>加工球(6回2死=鈴木誠)

フルカウントからの6球目、外角スライダーで左飛に抑えた。加工球の条件は「相手が分かっていても、打ち取れる球」。直前まで速球の軌道で進み、打者の直前で真横に大きく曲がる。イメージ通りの軌道を空間に描く、最も深い信頼を置く球種で芯を外した。

<2>球威(7回2死=堂林)

カウント1-2からの4球目、この日最速タイの156キロの速球で中飛にねじ伏せた。100球を超えた7、8回で速球は14球。全て150キロオーバーとスタミナ、パワーで圧倒した。

<3>コントロール(8回2死一塁=菊池涼)

カウント1-2からの4球目、外角低めの152キロの速球で見逃し三振。試合前の時点で今季の与四球率は1・54。この日も無四球でバトンを渡した。

<4>駆け引き(7回1死=長野)

カウント1-2からの5球目、145キロのフォークで空を切らせた。2回、一時逆転の3ランを浴びた4回は速球、スライダーで外中心だったが、この打席は1、2球目に内角攻め。勝負は外とにおわせ、縦変化のフォークで勝負した。

菅野は「失点した回は甘くなってしまったことと、配球の面でも反省するべきところがあったのでしっかりと修正したい。引き続き長いイニングを投げて、チームの勝ちにつながるピッチングをしたいです」と言った。21世紀に入って大型連勝した好投手と比較しても際立つ安定感。次戦、球団新&リーグ新記録となる開幕戦からの12連勝を目指す。【久保賢吾】

○…小谷氏は、82年に開幕戦から11連勝を達成した広島北別府の勝てる3要素を「<1>加工球<2>コントロール<3>球威」と挙げた。「北別府と言えばカーブ。浮き上がってから、落ちる独特の軌道だった。一瞬ボールに見えるがベース板近くで急降下する」。82年の与四球率は1・48。菅野同様「真っすぐの力」も推した。

◆小谷正勝(こたに・ただかつ)1945年(昭20)兵庫・明石市生まれ。国学院大から67年ドラフト1位で大洋入団。実働10年で285試合に登板し通算24勝27敗6セーブ、防御率3・07。79年から投手コーチ業に専念。11年まで在京セ・リーグ3球団でコーチ、13年からロッテ。17年から昨季まで再び巨人でコーチ。