日本ハム上沢直之投手(26)が、またまた“山賊狩り”に成功した。立ち上がりから制球に苦しみ「ランナーを出して、テンポの悪い投球になってしまいました」と反省したが、ここからが背番号15の、すごいところだ。投球の間合いを長く取ったり、短く取ったりと工夫。次第に荒れていた球が狙ったところへ決まるようになり、3回無死一塁からは強打の「山賊打線」を9者連続で退けた。

6回無死一、三塁のピンチも「最少失点で切り抜けようと思って投げた」と、中軸を抑えて反撃を断った。終わってみれば、7回6安打1失点で、チーム最多の7勝目。高い修正力と、ピンチに動じない冷静な投げっぷりに、栗山監督は「今日も途中からバランスが良くなった。普通はなかなかできない。すごいよね」と、感嘆した

これで、西武戦は昨季から6連勝。相性抜群だが、本人は「投げていて神経を使う打線なのは間違いないので、あまりそういうイメージはない」と照れ笑い。9月は4試合に先発し、3勝1敗で防御率1・16。今季の防御率2・23は、規定投球回数に8回1/3足りないが、トップのオリックス山本(2・63)を上回る。昨季途中、大ケガでシーズンを棒に振ったことを思えば「去年の僕が、この時期に思っていたよりは、投げられている」。勝ち星は、リーグ2位タイに浮上した。