3カード連続勝ち越し中の敵の勢いに、のまれてしまった。勝負の神様は日本ハムには、ほほ笑まなかった。25日オリックス戦(京セラドーム大阪)は、中盤までに大勢が決した。

0-2の4回1死二、三塁。立ち上がりから制球が定まらない先発マルティネスは、ギブアップ寸前だ。打席にリーグ首位打者の4番吉田正を迎える絶体絶命のピンチ。申告敬遠で歩かせて、モヤとの勝負。1ストライクからの2球目、真ん中高めの151キロを5階席へ運ばれたマルティネスは「自分のリズムで投球することができず、ランナーをためた場面で踏ん張ることができませんでした。先発投手としての役割を果たすことができず、悔しいです」と、唇をかんだ。

持ち味でもあった小気味よいテンポの投球は、影を潜めて久しい。リリーフから先発に復帰した前回18日ロッテ戦(札幌ドーム)も3回4安打3失点。栗山監督は「短いところをやってもらったり、いろいろあったから」と復調の気配を見せない右腕を気遣い「マルちゃんらしくなってくれるように、ちゃんとやります」。今後も先発枠の1人として、起用する考えだ。

栗山監督にとっては、18年までともにチームを支えたオリックス中嶋監督代行との“初対決”だった。試合前、栗山監督は「サメ(中嶋監督代行の愛称)なんて、オレのことをずっと見ていたし、いろいろな相談もしていたから。丸裸でしょ」と話していたが、第1ラウンドは、策を打ち合う前に決まってしまった。リベンジの機会は、まだたくさんある。【中島宙恵】