海外フリーエージェント(FA)権の行使を検討していたソフトバンク長谷川勇也外野手(35)が2日、残留を決断した。長谷川は他球団でのプレーも視野に入れ、日本シリーズ終了後から熟考を重ねていたが、FA権を行使せずに来季も鷹のユニホームで戦うことを決めた。

長谷川は13年に首位打者、最多安打を獲得も、14年オフに右足首を手術して以降は出場数が減少していた。今季は8月に新型コロナウイルスに感染した不運もあり、29試合の出場にとどまっていた。選手として、さらなる出場機会を求める思いもあり、心が揺れていた。だが、巨大戦力の中であらためて勝負したいという思い、そしてチームや福岡の町、ファンへの愛着が残留決断への後押しとなったようだ。

長谷川はこの日、福岡市内の球団事務所を訪れ「正直、他球団の話を聞いて、チャレンジしてみたいという気持ちもあった。そういうところにやりがいを感じるんじゃないか、とも思いました。でもいろいろ考えて、やっぱり福岡が好きなのかな、という。そこが強かったです」と話した。

球団とは単年契約を結びなおす方向。自身の打撃を追求する姿勢や、勝利へのこだわりは若手などへの好影響もある。5年連続日本一を目指すチームにとって、大きな“補強”になった。