阪神中田賢一投手(38)が24日、ソフトバンク時代の同僚で慢性骨髄性白血病を公表した摂津正氏(38)を思いやった。鳴尾浜での代表取材に「連絡はまだしてないですけど、びっくりしました。心配は心配です。公私ともに一番仲良かったので」と言葉を選んだ。

中田は中日から国内フリーエージェント権(FA)を行使して14年にソフトバンクへ移籍。当時鷹のエースだった摂津氏は「やりやすい環境を作っていきたい」と話し、同い年の中田のため積極的にコミュニケーションを取り、春季キャンプでキャッチボールの相手を務めた。17年には一緒にグアムで自主トレを行った。公私とも仲が良く、夫人同士も交流がある。

摂津氏が18年限りで現役引退した時は手紙やデザートプレートを送ってねぎらった。一方、19年オフに中田が阪神へ移籍する際には、摂津氏が同学年の内川、1学年下の松田とともに送別会を開いてくれた。はなむけのケーキには「暴れ馬中田賢一 いざ、甲子園へ」とメッセージプレートが添えられ、新天地に向けて背中を押された。

深い結びつきがあるから中田の気遣いは深まる。「摂津、心配なんですよね。明るい感じでコメントしてたから、あんまりこっちが深刻になってLINEするのも…」。摂津氏はインスタグラムで「変わらず仕事も遊びも全力でしていきますので、仕事の依頼、ゴルフ&釣りの誘いをお待ちしてます!」とつづり、投薬治療を受けながら解説の仕事を続けるとしている。支え合った仲間に安心してもらうためにも、自身の復活は欠かせない。ここ2年は未勝利で、今春のキャンプは2軍スタートとなった。「2軍の監督、コーチにアピールして上に報告が行くように、どんどん自分のいいボールを投げたい」。通算100勝のベテラン右腕が高知・安芸からプロ17年目の戦いを始める。【只松憲】