日本ハム吉田輝星投手(20)が、奪三振率アップへナックルカーブを磨く。26日、沖縄・名護で行っている先乗り自主トレで、捕手を座らせ初めてのブルペン投球を行った。昨季、上沢直之投手(26)とブライアン・ロドリゲス投手(29)からナックルカーブを教えてもらっており、投球の幅を広げるため本格的な習得に着手。新たな武器を手に入れ、開幕ローテーション入りを射止める。

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ブルペン投球の終盤、吉田が「ナックルカーブ、初めて投げてみます」と予告した。球数42球目で投じたボールは、やや弧を描きワンバウンド。続けてナックルカーブを3球投げ、時折、笑顔を見せながら感触を確かめた。投球後も、ブルペン捕手と座り込んで球筋などを確認。「ある程度、ベース板の近くに集まりだしたので、もう少し強くたたきたい」。3年目の進化を証明するため、再び磨き始めた。

新たなシーズンへ、決意の解禁だった。昨季、上沢やB・ロドリゲスから握りを教わった。昨年10月15日のイースタン・リーグ、ヤクルト戦で投げてみたが「ベースの5メートルくらい前でワンバウンドして。(習得は)やめようかな~と思っていた」と苦笑い。年が明けて、この日の前日にキャッチボールで投げてみると、予想外の好感触に、本格的な習得に乗り出した。

持ち味の直球を生かし、奪三振率アップを図る目的がある。初の1軍キャンプスタートまで1週間を切り「そろそろ変化球をやらなきゃ」と着手。空振りを奪えるナックルカーブを目指し、奪三振数の増加につなげる。昨季は登板5試合で奪三振率4・87。対戦打者数も違うが1年目(10・64)の半分以下だった。「空振りを取れるボールが、今のところフォークしかない。もう1種類あれば、だいぶ幅が出る」と見据えた。

独特の言い回しで、目指しているナックルカーブを表現した。指や手首のスナップよりも「空手チョップみたいな感じ」と、たたきつける感覚を目指している。球速は125~130キロ台が理想。「真っすぐの軌道から(コースは)真ん中低め、ボール球くらいが1番いい」と青写真を描いた。「結構、難しいですね」と苦戦しながらも開幕ローテ入りへ、進化を続ける。【田中彩友美】

◆吉田の球種 直球のほか、変化球はスライダー、フォーク、カーブ、チェンジアップ、カットボール、スプリット、ツーシーム。チェンジアップは1年目の19年1月に、習得を始めた。ツーシームは20年1月の自主トレ中に、ブルペンで試投し「徐々にやっていければ」と磨いてきた。

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