日本ハム中田翔内野手(31)が1月31日、清宮幸太郎内野手(21)に「マー君キラー」襲名を託した。キャンプイン前日に沖縄・名護で取材対応。8年ぶりに楽天復帰となった田中将大投手(32)について、対戦を楽しみにする清宮にハッパを掛け、13連敗中の難敵攻略のキーマンに指名した。自身は対戦打率1割8分5厘と苦手にし、弱気な発言が続いたが、覇権奪回へ「打ち崩せるように」と気合を入れ直した。

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キャンプイン前日、中田はかわいがっている後輩の発言を思い出した。

中田 清宮が「対戦したい」って生意気なことを言っていたし、あいつに期待するしかないでしょ。

田中将が楽天に復帰が決まった1月28日。清宮は「対戦できるのであれば本当に光栄なこと」と話しており、マー君キラーを託すことにした。

一方自身は…。ジワジワと、苦い思い出がフラッシュバックし続けている。

中田 帰ってくると思わなかったから、まさかね。(一報を聞いて)ちょっとしてからだよね、(復帰先は)パ・リーグじゃんって。セ・リーグ行ってよって。(推定年俸)9億かぁ…2億くらい分けてほしい。

公式戦初対戦となった3年目の10年8月8日は札幌ドームでソロ本塁打を放ったが、通算では54打数10安打3打点、打率1割8分5厘。すごみを体が覚えている。

中田 札幌ドームで打ったねぇ、若い時に。若い時って言っても向こうも若いか(笑い)。でも、その他は本当にきりきり舞いにされているから。手も足も出ないって、こういうことだと分からせてくれたのが田中さんだから…嫌だねぇ。対戦したことのある人間は、みんな嫌と言う。それが本心だから、絶対。また手玉に取られるのかって思うと…悔しい。

脳内では早くも打ち取られてしまったが、5年ぶりのリーグ制覇を果たすには乗り越えなければいけない相手。チームも11年途中から13連敗中で「頑張って打ち崩せるようにみんなで努力しなければ。試合に勝てないとウチの優勝はない」と清宮だけでなく、自らにも言い聞かせた。

昨季はレベチの打撃で進化を遂げ、今オフの自主トレも順調に消化。1年前とほぼ同じ、体重108キロでキャンプインする。この日沖縄・名護で体を動かし「今年も打点にこだわりたいし、やっぱホームラン40本打ちたい気持ちもある。さらに進化したレベチを見せられたら」。レベチ中田なら難敵マー君もきっと打ち崩す。【木下大輔】

○…無観客でのキャンプインを前に、中田が広報役に名乗りを上げた。自身のインスタグラムで積極的な情報発信を約束。「見に来られない人たちに発信していくのもすごく大事なこと。毎日、どう過ごしているか。元気な顔を発信していけたらいい」。この日もグラウンドの様子やウエートルームで汗を流していた宮西の姿などを投稿。「今年は炎上せえへんように気を付けたい。毎年、何かしら炎上しているから」と気も引き締めていた。

◆日本ハム中田と楽天田中将の対決 05年夏の甲子園では、大阪桐蔭1年だった中田が、駒大苫小牧2年の田中将と準決勝で対戦。3打数1安打(中安)だった。プロ入り後は、中田のルーキーイヤー08年2月24日の練習試合が初対戦。空振り三振、四球に終わっている。公式戦初対決は10年8月8日(札幌ドーム)。三振、一飛で迎えた8回の第3打席、左翼席へライナーで飛び込むソロ本塁打を放った。同月4日の西武戦と6、7日の楽天戦でも1発を放っており、自身4試合連続アーチでもあった。だが通算55打席の対戦で、柵越えはこの1本だけ。打率1割8分5厘と抑え込まれている。

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