右肘靱帯(じんたい)の断裂から復活を期す日本ハム斎藤佑樹投手(32)が1日、キャンプ初日にブルペンで200球を投げた。沖縄・国頭での2軍キャンプで、ブルペン一番乗り。昨年10月に負傷後、初めて傾斜を使ったキャッチボールを行った。今季は“戦友”の楽天・田中将大投手(32)が日本球界に復帰。再び同じステージに立つ日を目指し、歩みを進めていく。

   ◇   ◇   ◇

キャンプ初日のブルペン。午前9時半。最初に足を踏み入れたのは、リハビリ中の斎藤だった。右肘靱帯を断裂し、復活を期すシーズン。ブルペン捕手を立たせて、テンポよく投げ始めた。

100球を超えると小休憩を入れ、またボールを握った。157球目を投げると、木田2軍総合兼投手コーチやトレーナーと右肘を確認。再びミットを鳴らし始め、球数は200球に到達した。終盤は、気迫が声となって漏れた。

斎藤 肘以外の体全体を、肘が治ったときに出遅れないように。あの強度では、そんなに靱帯自体にストレスはかかっていない。自分自身でも、あの程度では痛みはないので。このキャンプメインの練習としてやっていきたいと思います。

傾斜を使ったキャッチボールは、リハビリメニューの1つ。今年1月から、ほぼ毎日、200球ほど投げ込んできた。昨年10月16日のイースタン・リーグ巨人戦で痛みを感じ、同18日に断裂が判明。早期復活を最優先に、保存療法を選択した。「(靱帯は)つながりかけている状態」と順調に歩んでいる。

見守った木田コーチは「超回復ですね。球の強さ、質は上がっている」と説明した。患部に一定の負荷を加えることで、再生力を高めていく狙いがあり、キャンプ中も球数を増減しながら継続していく。

試練の今季、斎藤の野球人生で、切っても切り離せない存在が帰ってきた。早実時代の06年夏の甲子園決勝で投げ合った、田中将が楽天に復帰。真っすぐな瞳で、心境を明かした。

斎藤 気持ちとしては、野球ファンと同じ。僕自身が出来ることは、今はケガを治して、同じプロ野球選手として戦えるステージまで上がっていくことを意識してやるしかない。

あの夏のように、前だけを見つめて。再び表舞台を目指し、11年目のスタートを切った。【田中彩友美】

日本ハムニュース一覧はこちら―>

パ6球団のキャンプ中継ガイドはこちら―>