1人じゃない-。ロッテ佐々木朗希投手(19)が16日、西武戦(ZOZOマリン)の先発として1軍デビューする。

前日15日の練習後には「緊張は嫌でもすると思うんですけど、なるべく無心でいけたらなと思います」と口にした。

新たな居場所に、1人堂々と立つ。海と山に囲まれた三陸で過ごした。少年時代からグラウンド上の顔ぶれはほとんど同じだった。中学、高校を同じ投手として過ごした和田吟太さん(19=駿河台大)は「皆が仲良い感じで支え合って練習して。いま思うと、すごい環境だったなと思います」と振り返る。自主練習が多い大船渡高。投手陣も最速163キロ右腕を中心にアドバイスし合いながら、個々の技術を高めてきた。

昔からの仲間で甲子園へ-。思いを結集させた。夢がかかる3年夏の岩手大会決勝は柴田貴広さん(20=大東文化大)が先発し、朗希の登板がないまま敗れた。柴田さんは「朗希やみんなの夢を壊した」と号泣した。自分の、とは言わなかった。「みんなで甲子園に行きたい気持ちの方が、ずっと大きかったので」。

背中を追いながら、大きな夢も託す。大和田健人さん(19=新潟大)は「勇気や元気を与えられる存在になってほしい。高校で甲子園に出られなかった分もプロでの活躍を」と願った。「いろいろ言われてきたことを全部払拭(ふっしょく)するくらい、圧倒的な投球を期待したいです」と初勝利を信じる。それぞれのエールを送りながら、投手仲間3人とも最大の望みは同じだ。「朗希が楽しく投げてくれれば、それが一番です」。見慣れた笑顔を待ち望んでいる。【金子真仁】

ロッテニュース一覧はこちら―>