力強く押し寄せる波
ある時はやさしく
またある時はきびしい
青々とした波は戦う
岩と戦う
いっしゅん白く
くだけちる波
くだけては寄せる
波は強い
ぼくよりもはるかに強い
どうとくだけた高い波
波は呼ぶ
ぼくを呼ぶ
波男にぼくはなるんだ
これは大島さんが大分・中津の今津中1年の時に書いた「波」という詩。2000安打を達成した1990年(平2)のオフ、親交のあった北島三郎らによって、この詩をもとに歌をつくるという話が持ち上がった。「おれって文才あるだろ」。照れながらも胸を張った大島さん。結局、歌にはならなかったが、近年ブロガーとして人気を博していたのもうなずける。
現役時代の大島さんは決して多弁ではなかった。
「僕も大分の出身なんです」
「おお、そうか」
最初の会話はそれだけ。同郷のよしみで話が弾むかと思ったらそんなことはなく、「それがどうした」と言われたようで、新人記者だった私はしばらく話し掛けることすらできなかった。少しずつ雑談ができるようになっても、肝心の打撃の話になると「言ってもわからんだろ」と、とうとう神髄を聞くことはできなかった。私の力不足で苦い思い出だ。
それでも年賀状は毎年いただいた。お子さんたちの成長ぶりを喜び、彼らが成人したあとには、愛犬「祭ちゃん」とのほのぼのとしたショットを載せた。ある時は厳しく、ある時は優しい。大島さんは「波男」そのものだったように思う。【89~91年日本ハム担当=沢田啓太郎】



