ソフトバンク石川柊太投手(29)が後半戦の「開幕試合」となった日本ハム戦で、11奪三振の好投を見せ4勝目を挙げた。直球に自慢のパワーカーブなどを駆使し8回途中93球を投げ1安打無失点投球。自身の連敗を5で止め、逆転Vを目指すチームとともに好スタートを切った。

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「代名詞」ともいえる小気味よい投球テンポが戻った。後半戦スタートの初戦。先発マウンドに上がった石川は3・26開幕戦と同じような高揚感で打者と対峙(たいじ)した。

初回からリズムに乗った。先頭浅間を直球で空振り三振。続く西川も129キロのパワーカーブで空を切らせると、3番高浜は中飛に仕留め、きっちり3者凡退で立ち上がりをクリアした。「今年、初めて開幕投手を務めさせてもらった。その気持ちというか意気込んで投げました」。直後に柳田が2ランを放ち先制点をプレゼント。今季はこれまで序盤の3回までに計23失点していたが、攻めの投球を貫き日本ハム打線を寄せ付けない。3回まで投球数は31球。5三振を奪い9人で料理した。「カーブが良かった。しっかりカウントを取れた。テンポよく投げられたと思う」。4回1死から西川に唯一のヒットとなる中前打、高浜に四球を与えて一、二塁のピンチを招いたものの、近藤を二塁併殺打で切り抜けた。

8回1死から渡辺に四球を与えてマウンドを板東に譲ったが、6回の3者連続三振を含み今季自身初の2ケタ三振となる11奪三振の快投だった。今季は開幕白星を挙げたものの、足踏みが続いた。中継ぎにも回った。列島が歓喜に沸いた東京五輪期間中は「洗いざらい見直し、1日1日を逆算した」と、後半戦リスタートに心身の充実を図った。これで自身の連敗も5でストップ。勝ち星は5月28日の巨人戦以来だ。逆転Vを目指すチームに勢いを付ける白星を運んだ。「プロは続けることが大事」。背番号「29」は、まだまだ先を見据えた。【佐竹英治】

▽ソフトバンク工藤監督(先発石川の好投に)「いや、もう見事な投球でした。この1カ月近い間の中でいい調整をしてくれた。今日に合わせてくれたというのはすばらしいと思います」

▽ソフトバンク岩崎(9回を3人締めで今季4セーブ目)「エキシビションマッチでの結果、内容があまり良くなかったので、後半戦は監督、コーチに安心して9回のマウンドを任せてもらえるようにという思いで投げました。最初の試合で3人で抑えることができて良かったです」