逆転優勝を目指すソフトバンクが緊急事態に陥った。29日、代役守護神で今季6セーブを挙げている岩崎翔投手(31)が、右肘のコンディション不良により出場選手登録を抹消された。試合前取材に応じた工藤公康監督(58)は「これ以上投げて悪化し、今シーズンがダメになるという可能性もゼロではなかった。ピッチングコーチも本人と話して1日でも早く良くなる方を優先した。(最短10日で戻ってほしい)思いはあります」と説明した。

今季は絶対的守護神だった森唯斗投手(29)が、5月末に左肘を手術。その代役を務めた左腕のリバン・モイネロ投手(25)は、東京五輪の米大陸予選への出場や、後半戦は左手首の違和感などで離脱期間が長くなっている。森は2軍で実戦復帰したが、モイネロは復帰の見通しが立っていない。2人に続いてまた「9回の男」が離脱した。

岩崎は今月20、21日のロッテ戦で2試合連続3失点。その後患部の違和感を訴え、登板回避が続いていた。岩崎の代わりに3年目右腕の板東湧梧投手(25)がセーブシチュエーションだった24日の西武戦、28日のオリックス戦に登板したが、いずれも同点を許して逃げ切り失敗。打線は後半戦12試合で平均2・8点と低調が続くだけに、救援陣の離脱は痛すぎる。

今後について指揮官は「今いる人間でなんとかやっていきたいと思ってます。(9回は)日々変えていきながらというふうに思ってます」と、日替わり守護神を採用する考えを明かした。【只松憲】