中日は代打・福田永将内野手(33)の5号2ランで一夜にして4位に復帰した。

チーム8試合ぶりの本塁打が最下位転落の危機を救った。同点の7回1死一塁。先発松葉の代打で起用され、広島玉村のチェンジアップを左中間スタンドにたたき込んだ。

「ランナーが一塁にいたのでゲッツーになるくらいならホームランか三振かという気持ちで打席に入りました。浮いた球をうまくとらえることができました。ホームランは力になると改めて思いました」。9回に4点差を逆転された前夜の悪夢を払拭(ふっしょく)。チームを勝利に導いたヒーローは会心の一撃を振り返った。

チームの長打不足問題は長期化している。本塁打は8月28日のビシエドを最後に途絶えていた。この2試合も5回に木下拓の同点適時二塁打が出るまで18本の安打はすべて単打。与田監督は「あの1本は得点としても欲しいところだった」と福田の決勝弾を喜んだ。

DeNAが勝利しただけに広島に連敗していれば最下位に転落していた。9回には木下拓にアーチが出て、ひとまずその危機を免れた。しかし依然として、チーム本塁打55本、307得点はリーグ最下位。与田監督は長打力不足について「ちょっとずつ増えていけばいいなと思います」。福田の1発が課題解決への転機となることを期待した。【安藤宏樹】

▽中日松葉(6回1失点で3勝目。移籍後、ビジターでは初勝利。屋外球場での勝利もオリックス時代の16年以来)「(6回は)意図的に投球間隔を短くして相手に考えさせないようにしました。(屋外は)気にしてませんでしたが、(移籍後)ビジターで初めて勝てたのでこれを機に頑張っていきたい」

▽中日木下拓(5回に同点適時二塁打。9回には3点差とする8号ソロ)「(本塁打は)粘っている間にタイミングが合ってきて、最後の甘いのを仕留められてよかったです」

▽中日R・マルティネス(前夜のサヨナラ負けから、3点差の9回を抑えて15セーブ目)「昨日、やってしまったので今日はなんとか失敗を取り返せるように頑張っていきたいと思った。昨日は味方に迷惑をかけて申し訳ありませんでした」