2桁勝利を狙った日本ハム伊藤大海投手(24)が、またも節目の勝利に届かなかった。オリックス18回戦(京セラドーム大阪)に先発し、6回1/3を投げ8安打4失点で6敗目。終盤7回に相手打線の猛攻を受けて逆転を許し、2試合連続で10勝目とはならなかった。チームは28イニングぶりの得点で援護も、3連敗を喫した。

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三塁側ベンチの最前列、伊藤はうつろな瞳で厳しい光景を焼き付けた。連打を浴びた7回、1点を失って2点差に詰め寄られ、なお1死満塁で降板。2番手宮西、3番手鈴木健が火消しに失敗し、逆転を許した。「あそこで食い止めきれなかったのが、今日の1番の反省点」と、敗戦を象徴するシーンになった。

満を持して臨んだマウンドで、中盤までは“らしさ”満点だった。序盤3回まではパーフェクトピッチングの5奪三振。チーム28イニングぶりの得点で3点の援護を受けたが、徐々に高まる疲労度は隠せなかった。6回1/3で8安打4失点。栗山監督は「疲れがすごく出ていたのは分かっていた」と7回途中での交代を選択。伊藤は「3点もらっていて勝ちきれないのは先発の責任」と悔やんだ。

節目の10勝目に王手をかけながら、2試合連続で届かなかった。ビジターでは6連勝中の追い風もあったが、味方に出来ず。試合前には全体でのウオーミングアップには入らず、ベンチ裏でストレッチや普段通りのウエートトレーニングをこなして登板に備えた。「グラウンドに出ない方が、せかせかしないのかなというのはありました。今度からは、それでいいかな」と収穫もあった。

「1勝の難しさは、あらためて感じている。1回気を引き締めて、自分が登板する試合数も少なくなってきているので、何とか次は勝てるように頑張りたいと思います」。宣言通りの投球で、切望している白星を引き寄せる。【田中彩友美】