阪神中野拓夢内野手(25)が頭脳的な走塁で気を吐いた。思考はフル回転だ。1回、右前打の近本に続いて自らも右前に運んだ。一塁走者として集中した。マルテの飛球は中堅へ。二塁走者近本が三塁へタッチアップ。羽月は三塁方向に送球し、カットマンの小園も三塁までの中継を想定して動いていた。

羽月の送球もわずかに高く浮く。一瞬のスキを逃さなかった。快足を飛ばして二塁を陥れ、1死二、三塁の好機を築いた。大山の適時打で先制直後は一、三塁になり、三塁上に立つ。糸原のゴロが一塁前へ。松山は二塁送球するしぐさを見せ、すぐに本塁送球。本塁突入しかけた中野はきびすを返して、三塁に戻った。

瞬時の判断で走塁死をまぬがれ、野選を誘い、満塁機を演出。サンズの中犠飛で生還だ。矢野監督も「俺らはチャレンジャー。向かっていく姿勢が問われる。現状できることはそれしかない」と話す。敗戦の中、リーグトップの24盗塁を誇る韋駄天(いだてん)の攻める姿勢が際立っていた。

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