2位でレギュラーシーズンを終えた阪神から4人のタイトルホルダーが誕生した。1日のヤクルト-広島25回戦(神宮)で、セ・リーグのレギュラーシーズン全日程が終了し阪神の1、2番コンビ、近本光司外野手(26)と中野拓夢内野手(25)のタイトルが確定。近本はプロ3年目で初の最多安打(178安打)、ドラフト6位ルーキーの中野拓夢は盗塁王(30盗塁)のタイトルを手中にした。

他にも阪神ではすでに、青柳晃洋投手(27)が勝率第1位(6割8分4厘)、広島九里と並んで最多勝(13勝)の2冠、ロベルト・スアレス投手(30)が2年連続となるセーブ王(42セーブ)を確定させていた。

近本は両リーグトップの178安打で、球団では13年マートン(178安打)以来、球団日本人では93年和田豊(161安打)以来、28年ぶりに最多安打に輝いた。「純粋にこのタイトルを取れたことをうれしく思います。特にシーズン序盤は打つことができずチームに迷惑を掛けてしまいましたが、そのあとは何とか貢献することができたのかなと思います。優勝はできず悔しい思いをしましたが、まだクライマックス、日本シリーズと残っているので、そこでチームの勝利につながるヒットを1本でも多く打てるように頑張りたいと思います」とコメント。さらに91得点もリーグトップ。新人時代から2年連続で獲得してきた盗塁王は後輩の中野に譲ったが、リードオフマンとして十二分の働きを果たした。近本はシーズン終盤に右太もも裏を痛めラスト3試合を欠場も、回復傾向にあり、CSへ向け調整を進めている。

中野はドラフト6位の評価を覆す活躍を続けた。新人の盗塁王は19年近本(36盗塁)に続きプロ野球4人目。特筆すべきは、9割3分8厘を誇った盗塁成功率(盗塁死は2つ)。プロ1年目に30盗塁以上は中野で17人目だが、唯一の成功率9割台を誇った。「タイトルを取れたことはすごくうれしいです。正直、自分が取れるとは想像もしていなかったので、あらためてうれしいですね。クライマックスでも機会があればどんどん走りたいという思いが強いので、まずは塁に出て相手をかき回せるようにやっていきたいと思います」と喜びをかみしめた。

チームは6日から巨人とのCSファーストステージ(甲子園)を控える。タイトルホルダーの4人が、ポストシーズンでもチームをけん引する。

▼阪神青柳(初の最多勝、勝率第1位に)「うれしいですし、目標の数字を達成できたことはよかったですが、やはりチームが優勝できなかったことは悔しかったです」

▼阪神スアレス(2年連続セーブ王)「チームメートに本当に感謝している。たくさんのセーブ機会をくれたチームにありがとうという気持ちしかないね」

▼阪神は近本の最多安打、中野の盗塁王、青柳の最多勝、勝率第1位、スアレスの最多セーブと5つのタイトルを獲得。阪神の選手が5冠は14年に6冠(メッセンジャーが最多勝、最多奪三振、呉昇桓が最多セーブ、福原が最優秀中継ぎ、マートンが首位打者、ゴメスが最多打点)を獲得して以来。ちなみにリーグVの03、05年は5冠(いずれも当時表彰対象外の勝率含む)、日本一になった85年は6冠(当時表彰対象だったバースの勝利打点を加えると7冠)を獲得している。