ソフトバンクは24日、古谷優人投手(22)との来季選手契約を締結せず、保留権を放棄し、自由契約にすることを発表した。野球協約第74条(2)に基づき契約保留期間を終了させ、コミッショナーへ自由契約選手公示を申請し、受理された。

球団では今シーズン中、選手1人からロッカー内での私物盗難被害の申し出があり、警察にも相談して調査していたところ、12月に入って、古谷が窃盗していたことが判明。本人に球団が聴取し、事実を認めたため、選手契約を締結し難い重要な事案であると判断し、来季の選手契約を締結しないことを本人に通達した。被害選手は被害届を出しておらず、今後も出す意向はないという。すでに盗難にあった私物は被害選手の元に戻っている。

オンラインで取材対応した三笠杉彦取締役GM(47)は「ファンのみなさま、球界関係各位にご迷惑をおかけしたことを深くおわびするとともに、再発防止と防犯対策強化に努めてまいりたいと思っております」と謝罪し、再犯防止を徹底する意向を示した。

古谷は北海道の江陵高から16年ドラフト2位でソフトバンク入り。19年には3軍戦で、日本人左腕最速の160キロをマークしたこともある。今季は自己最多の13試合に登板し、中継ぎ候補として期待されていた。一方で、プロ1年目の17年秋ごろから左手の血行障害に悩まされ、12月8日には手術を受けていた。リハビリからの再起を目指していたが、思わぬ形で鷹のユニホームを脱ぐことになった。

◆古谷優人(ふるや・ゆうと)1999年(平11)2月19日、北海道生まれ。江陵3年夏は北北海道大会準々決勝の釧路工戦で8者連続を含む20奪三振、自ら本塁打を放ち4強入り。16年ドラフト2位でソフトバンク入団。19年5月5日、四国IL・香川との交流戦(レクザムスタジアム)で、1軍を含め日本選手の左腕最速となる160キロを計測した。今年10月14日楽天戦で1軍初勝利。176センチ、79キロ。左投げ左打ち。