ソフトバンク・ドラフト1位の風間球打投手(18=ノースアジア大明桜)が、プロ入り前からの強心臓エピソードを明かした。今季のスローガン「もっと!もっと!もっと!」にちなんだ日刊スポーツの企画「もっと!もっと!もっと!しゃべりタカ」に登場。世代最速の157キロ右腕は、周囲の期待にどう応えようとしたのか。今春キャンプを福岡・筑後市のC組で送る未来のエースの素顔に、電話での直撃取材で迫った。【取材=只松憲】

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「世代最速の157キロ右腕」「ドラフト1位候補」。風間はプロ入り前からテレビや新聞に引っ張りだこだった。「最初に注目されてからは『そんなに注目される選手なのかな?』と思いました。でもやるしかないなと。注目されるんだったら、その中で一番注目されるようにしたいなと思いました」。

周囲の期待を重圧と感じなかった。むしろ追い風に捉えた。「どっちかというと、見返すためにやるっていう気持ちだった。『こんな自分でもやったらできるぞ!』みたいな感じ。周りも気にせず、上に行けるなら上に行ってやるという感じでしたね」。

風間の言う「見返す」とは。「自分はアホなキャラなんです。バカにされることも多い。そういった人たちに対して『まさか、お前がドラ1?』みたいな感じになってるのを楽しみたいなと」。

性格を問うと「単なるバカですね」と笑う。中学1年の時だった。「トイレのガラス扉を頭で開けようとしたら、そのまま勢いで割っちゃいました。少し開いてたんで、手も使わずに頭だけで開くかな~と思ったらパリンって」。そして高校3年の時は「寮の部屋に穴を開けました。高校生だったし、腹が立つことも結構あったので、拳で壁を…。ガムテープで張って隠しましたけど」。

ただ、備える力は王貞治球団会長兼特別チームアドバイザーが「金の卵。未来のエース」と評するほど。やんちゃ坊主は、強心臓で常勝ソフトバンクのドラフト1位まで出世した。

筑後のC組キャンプでは、体作りが続く。第1クールを終え「疲れは少しあるんですけど、けがも全くないですし、いい感じにできてます」。トップルーキーとしていまだ注目を浴びるが、関係ない。「プロに入ったら同時スタート。今までの注目は正直意味がない。これからどれだけ成績を残すかだと思います」。風間のメンタルは強い。

◇取材後記◇

風間の第一印象は「とても真面目な子」だった。ドラフト後の指名あいさつ、仮契約で発した言葉は「300勝」「160キロ」。昨夏の甲子園でも記者席から見ていたが、やんちゃな姿は見受けられなかった。

慣れていけば素顔を出してくれた。取材を重ねるうちに冗談を交えるようになった。今回の取材では「いつかは訪れる1軍デビューの日に、1球目は何を投げたいですか?」と聞いた。「真っすぐです」と即答したが、3秒空けて「もしかしたら逃げることもあるかもしれません」と笑った。

主力になれば、お立ち台などで多くのファンに素顔を見せることができる。将来がさらに楽しみになった。