広島中崎翔太投手(29)が22日、DeNAとの練習試合(アトムホームスタジアム宜野湾)の7回に登板し、1回1安打3三振無失点に抑えた。最速150キロを計測した直球には力強さがあり、DeNA打線を力で抑えた。3連覇時には守護神を務めた右腕が勝ちパターン入りを目指して、アピールを続ける。

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厚手の上着を着たファンが見つめる中、半袖姿の中崎がマウンドに駆けた。7回に登板。先頭の神里を143キロ直球、続く楠本からも141キロ直球で連続三振を奪った。牧にはこの日最速の150キロ速球を左前に運ばれるも、細川には144キロ直球を内角にズドンと決め、見逃し三振に切った。スピードだけでなく、力強さやキレが感じられた直球で1回3三振。通算115セーブ右腕の復調を予感させた。

「真っすぐに関してはちょっとずつ良くなってきているなと思います。内容と全体的な感じはもうちょっとかなと思うので、もっとしっかり投げていければ」

内容にはまったく納得していない。変化球の精度向上、2度フルカウントにした投球内容を課題に挙げた。「(持ち球)全部で決め球、組み立てができるようにしたい」。直球に手応えを得たことで見えた、次なるステップといえる。佐々岡監督も「横から見ていても真っすぐに力があった。一番経験している投手なので、こういう球を投げてくれれば。勝ちのところに入ってくれればと思いますけどね」と期待を口にした。

今年の沖縄キャンプは例年になく寒い。この日も風が吹いていたが、いつもの半袖姿に「今日は寒くなかったです。暖かい」ときっぱり。ただ、より寒い中での開催も予想されるオープン戦に備えた準備も進めている。前日のブルペンでは珍しく長袖を着用して投球。「練習がてら、ちょっと着てみようかなと。向こうに帰ったら寒いですし、そこは僕も少しは大人になろうと」。今年30歳になる右腕はニヤリと笑った。

再び勝ちパターン入りするためにも、より高みを目指す。「結果は良かったですけど、内容がいいとは思っていない。ふさわしい投球をしていけるように(好結果を)積み重ねていければ」。3連覇時の守護神が、中継ぎ争いを熱くする。【前原淳】

▽広島大道(4回から2番手で登板し2回6安打7失点)「1イニング目が良かったのでもったいなかった。暴投から流れを完全に失った。気持ちの整理をつけて次に臨みたい」