即戦力スラッガーのアピールが止まらない。広島のドラフト6位末包昇大(すえかね・しょうた)外野手(25=大阪ガス)が25日、紅白戦に紅組の「4番一塁」で出場した。1回には中前、3回には右前に安打を放ち、これで練習試合2試合を含め“3戦連続”複数安打。今キャンプ実戦6試合すべてで4番起用が続く主砲候補が、結果を出し続けている。

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遊撃手の必死のダイブもむなしく、波に乗るルーキーの打球は中前に転がった。4番一塁で出場した紅白戦、0-0の1回1死一、二塁。白組先発玉村の外角の直球を、中堅方向にはじき返した。二塁走者が生還。先制点を呼び込んだ。

1-0の3回2死では、玉村の低めの直球を右中間方向へ。ややバットの先で捉えた打球は、右前に落ちた。「(バットの)先っちょ(で捉えた打球)がいいところに落ちてくれてラッキーなヒットが多いが、ヒットはヒット。今は良い流れが自分の中で来ている」とうなずいた。

練習試合2試合も含めて“3戦連続”マルチ安打。6試合連続で4番に座る右の長距離砲が、調子を上げてきた。「結果が全てではないが、結果が出て(状態が)良くなってきていると思う」。最初の実戦3試合は9打数無安打と苦しんだが、ここ3試合は6安打と本来の力を発揮している。

調子が上向くのと同時に、理想とする打球方向への安打が増えてきた。「レフト方向には飛距離も出て飛ばしやすいが、レフトに飛ばそうとすると力んでしまう。左中間から右中間への打球が理想」。直近の実戦3試合で放った6安打のうち、5本をそのエリア内に落としている。「センター中心に体が開かないように意識しているので、打球方向がセンターにいっている」。好調の秘訣(ひけつ)を、そう分析した。

26日からはオープン戦が始まる。「今は若手主体で4番を任せてもらっている。今後レギュラー陣が加わってどういう立場になるか分からないが、結果を出さないと試合に出られない。結果を出せば4番も狙えるチャンスも来る」。昨季までの主砲鈴木誠がメジャーを目指し、チームは4番不在。新主砲候補がバットに思いを乗せ、新4番の座を射止める。【前山慎治】

◆末包昇大(すえかね・しょうた)1996年(平8)5月27日、香川県出身。高松商-東洋大-大阪ガスを経て21年ドラフト6位で広島入団。契約金4000万円、年俸1000万円(いずれも推定)。大阪ガス時代に前広島鈴木誠也を参考にして打撃が急成長。趣味はゴルフで、愛称「ジャンボ」はプロゴルファーのジャンボ尾崎から取った。ベストスコアは95で最長飛距離350ヤードという怪力の持ち主。188センチ、110キロ。右投げ右打ち。