連勝の火付け役。広島野間峻祥外野手(29)が2戦連続1番起用に4安打2得点で応えた。19年4月13日DeNA戦(横浜)以来の固め打ちで、2戦連続2桁得点をけん引。1軍再昇格後3戦連続安打となり、1番起用の2試合では10打数6安打4得点を記録する。帰ってきた野手主将とともに、チームは中日に連勝で上昇気流に乗っている。

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ダイヤモンドを駆ける疾走感が広島打線を勢いづけた。2戦続けて1番で先発。野間は1回に中日の先発岡野が2球続けたフォークを思い切り引っ張った。右翼線に打球が弾むと、スピードに乗って二塁へ勢いよく滑り込んだ。菊池涼の一塁強襲安打に迷わず三塁を蹴り、先制のホームイン。電光石火の先制点が、大勝劇の幕開けとなった。

「チームの先頭で立って、勢いというか、チームに勇気を与える内容、結果を出せるように。1打席目というのは大事だと思う」

前夜に続き、1打席目の安打から先制点が生まれた。2回も無死一塁から左前打でチャンスメーク。さらに左翼フェンス直撃二塁打に、5回は三塁線に転がる当たりを内野安打とした。約3年ぶりの4安打固め打ち。「とにかく1本でも2本でも何でもいいので、塁に出られるように。チームに勢いを付けられるようにやっていければと思います」。再昇格後3戦連続安打で、1番では10打数6安打4得点。先発全員安打で、2戦連続2桁得点と打線をけん引した。

野手主将に就任しながら代走中心の起用が続き、先発出場は4月1日中日戦のみで2軍降格となった。2軍で結果を残しても、なかなか1軍に呼ばれない。1軍の試合を見ながら「何やってんだ」と怒りを感じる夜もあった。意図せず連絡をくれるカブス鈴木との会話が気を紛らせ、自らを奮い立たせる力となった。

2戦続けてリードオフマンとしての役割を果たし、大勝で連勝に導いた。佐々岡監督は「昨日に続き野間からいいつながりで先取点。いい流れで攻撃できたと思います」と帰ってきた主将の働きをたたえた。本人は「(1番を)固定できればチームにも大きいと思いますし。やっぱりそこに入れるように頑張りたい」ときっぱり。ようやくスタートラインに立ったばかり。こんがりやけた顔を引き締めた。【前原淳】

○…西川が不振脱却の1発を放った。2回1死二、三塁。岡野の初球真っすぐを右翼席へ。5月8日DeNA戦以来の5号3ランでリードを広げた。24打席無安打が続いた時期は「宇宙にいました」と表現。3戦連続マルチ安打にも「やっとちょっと帰ってきました。大気圏くらいに」と、まだ本調子に戻っていないと感じている。

○…4試合ぶり先発マスクの広島磯村が攻守で貢献した。7点差の2回に左中間へ2年ぶりの1号2ランを放った。守っては初めて森下とバッテリーを組み、テンポ良く無失点投球を引き出した。「アツさん(会沢)や坂倉にどんな感じなのか、いろいろアドバイスもらいながら、うまく組み立てることができたと思います」。競争の激しい捕手争いで存在感を示した。

▽広島佐々岡監督(中日根尾の登板に)「今は大谷の二刀流がはやっている。いい球を投げていた。一番はファンの皆さんが喜んでくれたこと。小園対根尾の対決を見ることができて、よかったんじゃないですか」

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