球界最小兵、西武滝沢夏央内野手(18)がここまで、高卒1年目にして想像を上回る活躍を見せている。不動の遊撃手・源田が負傷離脱。代わって育成から支配下登録され、1軍で起用され続けている。

その姿に黒田哲史内野守備走塁コーチ(47)は“感性”を挙げた。「彼は野球の感性がいいですね。守備についていても(打球に対して)して欲しい動きをしてくれたり、周りがよく見えています。1年目とは思えないくらいです。そして、1歩目が素晴らしい。打球に対する反応が良いから、ああいう守備ができるんだろうなと思います。捕球の方法や、足の動きという点ではまだ練習が必要ですが、何より一番大事な1歩目の感性が素晴らしいです」。身長164センチという体格を、十二分に補う反応があるという。

伸びしろという意味では、まだまだ底が知れない。育成ドラフト2位で指名され、当初の見通しでは1年目は1年間戦う体力をつけながら、技術も身に付けていくはずだった。同コーチは「当然、育成選手だったので、まだまだやらなければいけないことはたくさんあります。本当であればキャンプのように、みっちり練習したいのですが、ずっと試合に出ていると、そういうわけにもいきませんからね」。ファームでは23試合で4失策も、1軍ではここまで9試合で1失策と、着実に成長曲線を描いている。

試合に出ながら、練習もこなす日々が続いている。今では試合前には早出で守備練習を敢行。「ハンドリングといって、グローブがしっかり自分の意思と同じ動きができるかどうかの確認をしています。あとは、本人とよく話をして、お互いの考えや(私が)伝えたいこと、感じていることが一致するかどうかを確認しています。今の時点で、全体の8割近くは一致していますね」。18歳の躍進の裏には、二人三脚で過ごす濃密な時間があるようだ。

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