執念采配実らず。広島が阪神16回戦(マツダスタジアム)に競り負け、10年以来12年ぶりとなる後半戦初戦から6連敗を喫した。1点ビハインドの6回以降、佐々岡真司監督(54)は勝ちパターンを投入したが、勝利にはつながらなかった。前半戦の最終戦から今季ワースト7連敗。借金も一気に同ワースト6に膨らんだ。チームの窮地に、離脱中の西川龍馬外野手(27)の前倒し1軍合流が決まった。

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最後まで勝利を信じ、席を立つマツダスタジアムのファンは少なかった。広島佐々岡監督が、勝利への執念を示すタクトを振った。本調子でない先発大瀬良を5回で見切り、6回にはターリーを投入。ビハインドの中盤に、チーム2位の9ホールドの助っ人左腕起用は、これまでにない勝負手だ。1点を追う終盤は7回の松本を挟み、8回から矢崎、森浦と勝ちパターンの投手も惜しみなくつぎ込んだ。6回から8回まで1人の走者も出さず、9回は森浦が1死満塁を招くも、併殺で切り抜けた。

佐々岡監督 このチーム状況なので、1点もやれないという継投をしました。

中盤から徐々に流れを引き寄せたようにみえたが、追いつくこともできなかった。連敗ストッパーを期待した大瀬良が1回に先制点を献上。直後の1回無死一塁から2番菊池涼の初球に一塁走者野間にスタートを切らせるなど、劣勢の展開を打破しようと動いた。3点ビハインドから打線が1点差に迫ると、6回からは強気な継投策。後半戦初星は手にできなかったものの、打つべき手は打った。

阪神に競り負けて、10年以来12年ぶりとなる後半戦初戦からの6連敗を喫した。前半戦最終戦からの7連敗は今季ワースト。さらに借金6も今季ワーストとなった。この日見せた執念を明日につなげたい。新型コロナウイルス陽性からマクブルームが復帰。3打席目に復帰初安打を記録した。助っ人不在時、4番で打率2割5分だった坂倉は5番で7試合ぶりとなる後半戦初適時打と、助っ人復帰効果は少なくない。さらに週明け合流予定だった西川を前倒しして6日阪神戦から合流させることも明らかとなった。床田離脱も、帰ってくる選手もいる。このままズルズルと終わるわけにはいかない。【前原淳】

○…広島坂倉が5番に戻り、適時打を放った。チームのコロナ禍で7月20日から9試合で4番を務めたが、この間は打率2割5分と低迷。マクブルームの4番復帰に伴い、従来の打順に戻った。4回1死三塁で7戦ぶり適時打を中前に運び「みんながつないでくれて、良いところで回ってきた。まず1点返せて良かった」。再浮上へクリーンアップのはたらきは欠かせない。

○…広島小園が6試合連続安打をマークした。4回に1点を返しなお2死一塁で左中間へ適時三塁打。1点差に追い上げる一打に「後ろにつなぐ気持ちでいきました。何とか流れを変えたかった」とコメント。4月に不調で打率は一時1割5分台、リーグ最下位も味わったが、2割6分2厘まで上昇した。

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