楽天藤平尚真投手(23)が、“初勝利”を挙げた。

今季7度目の登板、4試合目の先発。5回1/3を1安打無失点と好投し、今季初勝利を挙げた。これまでプロ通算7勝はすべてビジター登板だった。18年9月17日ロッテ戦以来、1434日ぶりの勝利は、待望の仙台でつかんだ。「とても長かったですけど、とてもうれしいです」と笑顔だった。

新球チェンジアップで一皮むけた。7月31日日本ハム戦で5回3失点。その後小山1軍投手コーチから、決め球とカウントを取る球をしっかり区別して投げるようにと助言をもらった。 何かを変えたい。オフに岸と自主トレをした際に書き込んだノートを読みあさった。「岸さんにチェンジアップについていろいろ聞いていた。その時は他に悩みがあってそこまで至らなかった」。これまでは130キロ台後半から140キロ台前半の速いチェンジアップ。先輩からの助言で、緩急をつけられるものへと変えていった。

“師匠”はそれでも百戦錬磨のベテラン。「岸さんの感覚は、僕の中ではちょっと難しすぎて…。結構天才的な表現なので。たくさん細かく聞いて、どうなっているんですかとか身ぶり手ぶりでいろいろ教えてもらいながら、自分の感覚と岸さんの感覚を合わせた」と笑う。試行錯誤で自己流にアレンジ。少しずつ自分のものに落としていった。

前回登板の14日西武戦から本格的に投げ始め、手応えをつかんできた。この日の7奪三振のうち、3つは新球。「取り組んできたチェンジアップもしっかり形になった」。自信が増す1勝となった。【湯本勝大】

▽楽天石井GM兼監督(藤平について)「過去の成績はあんまり関係ないですよね。これからの選手。将来は楽天で先発の柱としてやってくれるような努力を、またステップを踏んでくれればいいんじゃないかな」

◆藤平尚真(ふじひら・しょうま)1998年(平10)9月21日、千葉県富津市生まれ。横浜で3年夏の甲子園に出場。16年ドラフト1位で楽天に入団。17年6月16日阪神戦で初登板。8月22日ロッテ戦で5回を無失点に抑えてプロ初勝利。昨年までプロ5年で7勝12敗、防御率4・25。今季年俸1000万円(推定)。185センチ、85キロ。右投げ右打ち。

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