投手陣が引っ張った! 広島がDeNA打線を3試合連続で零封し、同一カード3連勝を決めた。3戦連続無失点勝利は19年以来6度目の快挙。

先発玉村昇悟投手(21)が6回4安打無失点。打っても先制打を含む2安打と活躍し、4月7日以来、150日ぶりの2勝目を挙げた。阪神に3連敗した直後、カードが替わって3連勝。クライマックスシリーズ(CS)進出争いに食らい付いている。

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まぶしい太陽がマツダスタジアムに降り注ぐ。チケットは完売。3万333人の鯉党が日曜日の本拠地に足を運んだ。暑さの残る9月4日。汗をぬぐいながら玉村は役目を果たした。

6回無失点の好投で5カ月ぶりの白星。今季2勝目は自らの手でつかみ取った。投げては2度のピンチを背負うも要所を締めるメリハリのある投球。そして、打ってもまた活躍だった。0-0の4回2死満塁、DeNA京山の148キロにどん詰まり。ボテボテの遊撃へのゴロを背に全力試走した。「(打った瞬間)やばいと思ってとにかく走るしかない、と。(手は)しびれました。ゴロが転がったらあとは神頼み」。願いが通じた先制打が勝敗を分ける1点になった。「ずっと勝てていなかった。なんとかゼロでいきたいなと思って投げた結果、勝てて良かった」。この日のヒーローは充実した表情でお立ち台に立った。

プロ初登板を含む17試合を投げた昨季途中から、靴下を足袋タイプのものに替えている。「指の使い方が下手なので。5本指だと(指が)ばらけてしまう。逆に(袋が)1つだけのやつだと自由が利かない」。ちょうど良いあんばいの靴下を見つけ、即採用。踏み出し足も含め、より地面をつかむような感触が身についた。

玉村が無失点でつないだバトンはケムナ、矢崎、松本と渡り、球団史上6度目の3戦連続完封を決めた。佐々岡監督は「試合前に(山本)浩二さんから3試合連続完封しろ、と電話をもらった。プレッシャーもあったが、完封リレーできて良かった」と刺激的な一戦を振り返った。勝利投手の玉村も「僕だけの力ではない。みんなでゼロに抑えられたのは投手陣としてもすごくいいことだと思う」。シーズン最終盤にして再び投手陣に活気が戻った。試合をつくる投手陣が反撃に勢いを与える。【前山慎治】

▼広島が2日DeNA戦から3試合続けて完封勝ち。広島の3試合連続完封勝利は19年4月24~27日以来、6度目の球団タイ記録。今回のように同一カードの3試合で記録したのは、70年10月11~13日ヤクルト戦、81年8月14~16日中日戦に次いで41年ぶり3度目。

○…坂倉将吾捕手が6年目でキャリアハイの13号を満塁弾で飾った。3-0とした7回2死満塁。田中健の高めに浮いた変化球に反応し、右翼席まで運んだ。勝利を決定づける大きな一撃。「球種は問わず、甘めにきたら振ろうと思っていた。試合に出ている以上、それなりに打たないといけない」。137安打も昨季の自己最多を更新中で、タイトル争いに参戦中だ。

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