引退セレモニーでヤクルト嶋基宏捕手兼コーチ補佐(37)が引退スピーチを行った。
周囲への感謝を述べた後、最後は、あの名スピーチをもじった言葉で締めくくった。
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まずはこのような引退試合、セレモニーを開催していただき本当にありがとうございます。数日前に腰を痛めてしまって、今日、出られるかどうか不安だったんですけど何とか乗り切ることができました。そういうチャンスを与えてくださった監督コーチのみなさん本当にありがとうございます。
プロに入って楽天で13年、ヤクルトに来て3年、楽天の13年間では考えて野球をすること、相手に向かっていく闘争心、捕手のいろはを学ばせていただきました。それが正しいのか、考えながらやったこのヤクルトの3年間であり、3年のうちに2度もリーグ優勝することができました。この3年間で2度リーグ優勝を経験していくうちに、僕は本当にこのヤクルトに来て良かったんだ、この最高の仲間と野球ができて幸せなんだと、毎日、毎日、感じることができました。
それをいつも支えてくれた両親、小1から何不自由なく野球をやらせてくれて本当にありがとう。いつも陰で支えてくれた妻、3人の子どもたち、いつも僕が負けて寂しそうな顔をして帰ってもまた明日があるからと元気に次の日送り出してくれた妻、お父さんそろそろ活躍してよ、いつもそうやって励ましてくれた3人のこどもたち。これから仲良く一緒に生活していきましょう。
そして最後まで残ってくださったベイスターズファンの皆さん、楽天でお世話になった藤田一也さん、森原康平、大学の後輩の柴田、山下がお世話になっております。これからもどうぞよろしくお願いします。
最後になりますが、あの言葉を言って締めくくりたいと思います。見せましょう、ヤクルトスワローズの底力を! ありがとうございました。
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2011年、東日本大震災が発生。開幕前に札幌で行われた復興支援のための試合前に、嶋が行った「見せましょう、野球の底力を」のスピーチは、あまりに有名。ただ、それがために「今になってみたら、言わなければ。あの言葉が自分のプレッシャーになった時期もありました」と告白していた。そんな言葉を、少しもじって、現役最後の舞台で使用。ユーモアあふれる嶋らしい選択だった。