楽天則本昂大投手(31)が、悔しく、収穫ある今季を振り返った。今季は2年連続8度目の2ケタ勝利を達成。しかし、7月5日ソフトバンク戦から8月9日オリックス戦まで5連敗。10勝8敗、防御率3・53と、満足いく結果ではなかった。「目指してたところはこの成績ではなかったので、もっとやれたなという風に思いますし、状態が落ちたとき、早く戻すことができれば、チームももっといい順位にいたと思うので。そういったところが心残り」と唇をかんだ。

開幕直後は新型コロナ陽性判定で離脱。復帰してもコンディションがなかなか上がらない時期もあった。球宴明け初登板となった8月2日ロッテ戦では、4回7安打4失点でKO。「自分の中ではあまりにもひどい状態だった。体調的にも。その試合でなにかちょっとズレが生じたのかなと思います。7月、8月体がうまく動かせることができなかった部分があったので、そこを早く改善できるようにしたかった」と打ち明ける。

先発ローテーションで回る中で、トレーニングコーチともに、調整方法を試行錯誤。8月の終わりから9月にかけて、練習法や体の使い方に手応えをつかむものがあった。9月12日オリックス戦、同18日西武戦、同27日オリックス戦で3連勝。合計21回で5失点と好投が続いた。

今季チームの先発防御率は3・72でリーグワーストだった。開幕投手を務めたエースとして、責任を感じている。「やっぱりもっと自分を含めて安定していかないといけない。全体通して序盤良かっただけに、後半戦あと1歩足りていなかったところは、チームとして考えていかないといけない」。来季は1年を通して、勝利を挙げ続けられるように、オフは体をいじめ抜いていく。「若い選手にも負けたくないなという気持ちはありますし、その中でも自分に負けたくないというのはある」。10年ぶりの優勝へ導くため、闘志を燃やしていた。【湯本勝大】

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