広島は7日、球団OBの新井貴浩氏(45)に来季の監督就任を依頼し、受諾を得たと発表した。監督就任会見は12日に行われる。組閣は本人の意向も踏まえて進められていく。4年連続で開幕投手を務めている大瀬良大地投手(31)も「力になりたい」と心を新たに、新体制へ意気込んだ。

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佐々岡政権を支えた大瀬良はもちろん新体制でも投手の要だ。新井新監督を迎えるチームでも期待される役割は大きい。「一緒にプレーをさせていただいた先輩。なんとか監督の力になれるようにという思い」。球団からの発表を受け、心を新たに共闘の意思を示した。

■新井貴浩という人物像は分かる

4年連続で開幕投手を務め、今季から選手会長も担っている。姿勢で、言葉で投手を引っ張る存在だ。「どういうチームになるのかなといろいろな思いがある。悔しい結果(5位)に終わったので、なんとか一体となって、どんどん上を目指していきたい」。新監督が描くチーム像はまだ見えないが、胸を膨らませた。

一方で「新井貴浩」という人物については、ともにプレーしたこともあり、イメージが膨らむ。「周りをまとめていく力はすごいと一緒にプレーさせていただいて感じた。尊敬するところがたくさんあった」。親しみやすい人間性に加え、リーダーとしての大きな存在感を身近で感じていた。

■現役時には厳しいことばも

当然知るのは優しさだけでない。「厳しさを教えていただいた」と振り返るのは新井氏が現役時のオフのこと。恒例だった湯布院でのリハビリキャンプで「今のままじゃ難しいぞ」「真っすぐを磨いて」「もっと上にいくには何かを変えて、きっかけを見つけた方がいいんじゃないの」と厳しい口調で説かれた。大瀬良自身は「勝負の厳しさを教えていただいた」と今でも深い感謝の念を抱いている。

■「投手と野手の関係性大事」

新井カープの構想はまだ語られていないが、15年から4年間プレーをともにした大瀬良に、分かるものはすでにある。「現役時代には、投手と野手の関係性をすごく大事とおっしゃっていた。ぼんやりと、こういう風にやっていくのかなと思う。新しくやってきたこともそうですけど、ミックスしながらいいチームを作っていきたい」。プレーをともにした選手もまだ多く残っている。気心知れた指揮官とチームメート。広島に新たな風が吹く。【前山慎治】

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