西武の来季新監督に、松井稼頭央ヘッドコーチ(46)が就任することが9日、決まった。CSファーストステージで敗退となったこの日、球団は6年間指揮を執った辻発彦監督(63)の退任を発表。新体制で来季へ向かうことになった。

また同コーチのPL学園の後輩でもある平石洋介打撃コーチ(42)のヘッドコーチ昇格も決定的とみられ、PLコンビがかじを取り、巻き返しを図る。

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松井ヘッドコーチが新監督に就任することが決まった。関係者によると、この日までに就任要請を受諾。PL学園から西武入りし、02年にはトリプルスリーを達成するなど、日米通算2705安打を放ったレジェンドが来季の指揮を執る。

監督となるための“準備”は整えてきた。18年に西武で現役を引退後、翌19年から3年間は2軍監督を務めた。「監督経験」を積み上げ、若手の潜在能力も熟知。今季はヘッドコーチとして、辻監督の隣で1軍のベンチワークも担った。基本的にスタメンも決めてオーダーも組むなど、チームの指揮に必要なものを近くで学んできた。

今季は投手陣が整備された一方で、打線は迫力を欠いた。本塁打と打点の2冠に輝いた山川頼りの感は否めず、チーム打率2割2分9厘はリーグ最下位。打撃力強化も求められる。

奥村球団社長はこの日、新たな監督について「また別の機会にお話しさせていただきたい」と話すにとどめた。その上で辻監督の退任に関して、「首脳陣の若返りを1つの目的にしている。後進に引き継ぐベストなタイミング」とし、松井ヘッドコーチは、この点でも適任といえる。

またヘッドコーチには、平石打撃コーチの昇格が決定的。松井コーチとはPL学園の先輩後輩の間柄で、楽天時代も同じユニホームで戦っている。楽天で監督を務めた経験もあり、理論的かつ親身に選手と向き合う指導で、強いリーダーシップも評価されている。PLコンビの強いタッグで覇権奪回へ向かう。

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