広島石原慶幸新バッテリーコーチ(43)が29日、マツダスタジアムで就任会見を行った。

新井監督、藤井ヘッドコーチの就任会見時と同じ赤いネクタイを締めて登壇した。「迷ったんですけど、自然とカープの赤を選んだといった感じです」。現役広島一筋19年の名捕手が、3年ぶりに現場復帰を果たす。

広島は今季リーグワーストのチーム盗塁阻止率2割4厘、同5位のチーム防御率3・54だった。バッテリー強化とともに、若手捕手育成を託された。「まだまだ良くなる選手たちばかり。人それぞれ考えも違う。当てはまるものも、やり方も違うと思う。選手にしっかりと寄り添って選手が納得した上で、何かきっかけをつかめるようにやっていきたい」。来季から打力のある坂倉が再び捕手専任となる。型にはめた指導ではなく、個々の性格や特徴に合わせた指導法で可能性を広げていく考えだ。

鈴木球団本部長は「あの監督には、このコーチしかいない。セットだ。新井監督の時代になったら、石原が一番合うだろうなと」と2人の絆に期待する。石原新コーチにとって、3度目の共闘となる。入団時から07年は広島の低迷期でともにもがき、15年以降は3連覇するなど栄光を味わった。来季からはともに指導者として「“監督をすることになったから、やるよ”と言われました。(コーチ打診を受けるか受けないかの)選択権はなかったです」。野球観を共有し、苦楽を共にした新指揮官とともに、チーム再建を目指していく。【前原淳】