開始10秒で試合を動かした。オリックス太田椋内野手(21)が、持ち前の積極打法を披露。日本シリーズ史上初となる初回先頭打者の初球本塁打を決めた。

「良い流れを持って来られるように、どんどん思い切って振っていこうと打席に入りました。タイミングもしっかりと合っていましたし、いい感触で打てたと思います!」

ヤクルト先発サイスニードの低め145キロをかち上げ、バックスクリーン左にある「ヤクルト」の文字にぶち当てた。若さ全開の一撃がチームを勢いづけた。

日本シリーズでの初回先頭打者本塁打は13人14度目。球団では76、78年の福本豊以来2人目だ。歴代のリードオフマンたちも達成できなかった「初球」打ちの先頭弾が26年ぶり日本一の決勝弾となった。

18年ドラフト1位。4年目の今季は32試合の出場にとどまり不完全燃焼だった。ただ、日本シリーズは4試合のスタメンで全試合安打。「割り切り」が好結果を生んだ。

「考え込んだって結果は変わらない。ビビるよりも、ミスしてもいいやと思えるようになった。もう、何か仕方ないよな、みたいな。人生の経験の1つとして思えるぐらいに」

闘志むき出しで初球から食らいついた日本一のアーチ。打撃投手を務める父の暁さん(51)に贈る、恩返しの1発でもあった。【真柴健】

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