大きな目標に向かってジャンプアップする。楽天黒川史陽内野手(21)が9日、仙台市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、現状維持の推定年俸780万円でサイン。「球団から来年は1軍でチームの顔になってほしいと言われました」と飛躍を求められた。今季は17試合出場で打率2割2分2厘、0本塁打、2打点。「1軍ですごく悔しい思いをした。2軍の日々が長かったが、1軍も2軍もベンチに座ることなく、体は強くなったと思う」と振り返った。

チームの顔。現状で言えば、田中将大や則本昂大、内野手でいえば同一ポジションを争う浅村栄斗、外野手なら島内宏明らが該当する。「すごい先輩方がおられる。そういった方との競争になると思う。競争に勝って、1軍の試合に出続けたい」。2軍では94試合に出場したが、1軍では出場試合が半減した。二塁や三塁にこだわりはなく「ポジションが空いたり、けがした人がいた時にスッと入れるように。チャンスがきた時につかめるようにしたい」と意気込んだ。

今季は石井一久GM兼監督に「長打を増やしてほしい」と要望され、バットを変更していた。色を変え、形状を全体的に細くし、重さは900グラムから870グラムにしていた。来季は戻す可能性もあるが、経験値は上がった。日本シリーズを見て、同学年のオリックス紅林らから刺激も受けている。4年目の大変身へ向け、今季の経験をバネにする。